32 予算の原則

地方自治法

<ポイント>
予算原則とは、予算が明確かつ民主的であるために設けられた予算に関する原則のこと。
具体的には、次の7点がある。
①総計予算主義の原則
②単一予算主義の原則
③予算統一の原則
④予算事前議決の原則
⑤会計年度独立の原則
⑥予算単年度主義の原則
⑦予算公開の原則

1 予算の原則とは
予算原則とは、予算が明確かつ民主的であるために設けられた予算に関する原則のこと。

具体的には次の7点があるが、その多くに例外がある。

①総計予算主義の原則
総計予算主義とは、予算は歳入と歳出の相殺などを行わず、収入のすべてを歳入予算に、支出のすべてを歳出予算に計上する原則のこと。

総計予算主義の例外として、一時借入金の収支、決算剰余金の基金編入、基金の繰替運用などがある。

【参考】総計予算主義の原則

②単一予算主義の原則
単一予算主義の原則とは、予算は単一の見積表にすべての歳入歳出を包含させ、かつ予算の調製は一会計年度1回を適当とする原則のこと。

しかし、自治体の事務が複雑多岐にわたるため、実際には特別会計の設置、補正予算・暫定予算の編成などの例外がある。

【参考】単一予算主義の原則

③予算統一の原則
予算統一の原則とは、予算を誰にでもわかりやすいものとするため、歳入・歳出の分類を統一的、系統的に調製すること。

【参考】予算統一の原則

④予算事前議決の原則
予算事前議決の原則とは、当該年度開始前までに、議会の議決を得なければならない原則のこと。

予算事前議決の原則の例外として、法令により負担する経費等に係る首長の原案執行権、首長による専決処分、特別会計における弾力条項がある。

【参考】予算事前議決の原則

⑤会計年度独立の原則
会計年度独立の原則とは、各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって充てなければならないとする原則のこと。

この原則の例外として継続費の逓次繰越、繰越明許費、事故繰越、過年度収入及び過年度支出、歳計剰余金の繰越、翌年度歳入の繰上充用がある。

【参考】会計年度独立の法則

⑥予算単年度主義の原則
予算単年度主義の原則とは、予算は会計年度ごとに作成し、議会の議決を受けること、また一会計年度の予算はその年度内に執行・完結し、翌年度以降の予算を拘束しないという原則。

この原則の例外としては、継続費、繰越明許費、債務負担行為などがある。

【参考】予算単年度主義の原則

⑦予算公開の原則
予算公開の原則とは、予算は広く一般に公開しなければいけないという原則。

その具体的内容として、予算要領の公表と財政状況の公表がある。

【参考】予算公開の原則

2 歳入予算と歳出予算
予算には歳入予算と歳出予算があり、両者は同額となる

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