33 会計年度独立の原則 

自治体財政

1 概 要
①会計年度独立の原則とは、各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって充てなければならないとする原則のこと。
②この原則の例外として継続費の逓次繰越、繰越明許費、事故繰越、過年度収入及び過年度支出、歳計剰余金の繰越、翌年度歳入の繰上充用がある。

2 会計年度独立の原則とは
会計年度独立の原則とは、各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって充てなければならないとする原則です。言い換えれば、当該年度に支出すべき経費を、他の年度の収入を充てないということです。

そもそも会計年度とは、ある一定期間を定め、収支の経理を明確にする期間のことです。その期間内の収入と支出は、この期間内に整理し、他の年度に影響を及ぼすことは避ける必要があります。

例えば、今年度の支出を来年度の収入から支出したり、今年度の収入を昨年度の支出に充てたりすれば、収入と支出の対比が不可能となり、財政が混乱してしまいます。

このため、地方自治法208条には、「会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる」「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもつて、これに充てなければならない」と規定されているのです。

3 会計年度独立の原則の例外
しかし、実態として、この原則には以下のような例外があります。これは、そうした例外がないと、かえって浪費してしまったり、非効率たったりするからです。

(1)継続費の逓次繰越
年割額の歳出予算において、その年度に支出が終わらなかったものを不用額とせず、事業期間の終わりまで逓次に繰り越して使用することができます。

(2)繰越明許費
繰越明許とは、事情により年度内に支出が終わらない事業について、予算で定め、翌年度に繰り越して支払うものをいいます。

(3)事故繰越
事故繰越とは、やむをえない事情によって、年度内に支出ができなかったものについて繰り越すものをいいます。

(4)過年度収入及び過年度支出
過年度収入とは、出納閉鎖までに納付されなかった収入は前年度の収入として扱えないため、現年度の収入として収納されることです。

また、過年度支出とは、同様に、出納閉鎖後の支出は現年度の支出として支払うことを過年度支出といいます。

(5)歳計剰余金の繰越
各会計年度において決算上剰余金を生じたときは、翌年度の歳入に編入しなければなりません。

(6)翌年度歳入の繰上充用
出納整理期間に歳入よりも歳出が多くなる赤字決算が見込まれるとき、翌年度の歳入を繰り上げて、この不足にあてることをいいます。この場合、そのために必要な額を翌年度の歳入歳出予算に編入しなければなりません。

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