3 一般会計と特別会計

自治体財政

1 概 要
①一般会計とは、自治体の会計の中心をなすもので、行政の基本的な経費を網羅したもの。
②特別会計とは、特定の事業を行う、法律で定められているなど、特別の必要がある場合に、一般会計から区分した会計。
③一般会計の内容や特別会計の設置は、自治体によって異なる。

2 一般会計とは
自治体の会計は、一般会計と特別会計の2種類があります。

一般会計は、行政に要する収支を総合的に経理するもので、自治体の基本的な活動に必要なあらゆる経費を計上した当該団体の根幹となる会計です。簡単にいえば、メインとなるお財布です。

しかしながら、一般会計の内容とするかは自治体の判断によって異なります。このため、一般会計といっても、A市とB市ではその中身は異なるのです。

例えば人口が同規模であっても、必ずしも一般会計の額が同規模とは限りません。A市では一般会計で計上されている事業が、B市では特別会計に含まれるということがあります。

3 特別会計とは
特別会計は、特定の事業・資金などについて特別の必要がある場合に、一般会計から区分してその収支を別個に経理するための会計です。法律により設置が義務付けられているものと、条例により設置するものの2種類があります。

前者の具体的なものとしては、国民健康保険、介護保険などがあります。

後者には、①自治体が特定の事業を行う場合(地方公営企業に係る特別会計等)、②その他特定の収入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合(特定の歳入を財源とする貸付事業に係る特別会計等)があります。

なお、特別会計の中で公営企業会計というものがあります。これは、地方公営企業に係る会計で、具体的には病院会計、交通事業会計(路面電車やバスなど)、水道事業会計などがあります。

4 一般会計と特別会計間のやり取り
一般会計と特別会計は別個の会計です。しかし、一般会計と特別会計の間、または特別会計間でやり取りがされることがあります

例えば、特別会計である国民健康保険会計において、保険料などの定められた歳入だけでは歳出を賄えないため、一般会計の予算を国民健康保険会計に投じるような場合です。

この場合、一般会計から繰出金として支出され、特別会計は繰入金として受け入れます。このため、一般会計と特別会計の額を合計しても、その額の一部が重複しているため、自治体の純粋な額の合計とはなりません。

5 単一予算主義の原則
「予算の原則」の1つに「単一予算主義の原則」があります。これは、予算は単一の見積表にすべての歳入歳出を含め、かつ予算の調製(整えつくること)は一会計年度1回を適当とする原則をいいます。

これにより、自治体の財政全般について見通すことができ、統一的・計画的な財政運営を行うために設けられています。

しかし、実際には一般会計と特別会計の2つがあります。これは、自治体の事務は複雑多岐にわたることから、複数の会計に区分した方が適当な場合があるからです。

また、「予算の調製は一会計年度1回を適当」についても、補正予算や暫定予算を編成することがあり、この原則の例外となっています。

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