36 予算編成のプロセス

自治体財政

1 概 要
①当初予算の編成は、自治体全体で取り組むこととなり、様々なプロセスを経る。
②予算編成にあたっては、議会、財政部門、事業部門の間で様々なやり取りが行われる。

2 予算編成のプロセス
当初予算は、その自治体の最も中心となる予算です。この当初予算の編成は、自治体全体で取り組むこととなり、前年度の夏頃から、予算案が議決される当該年度直前の3月までの間、様々なプロセスを経ることとなります。大まかな流れは、以下のとおりとなります。

3 予算編成の実際の流れ
まず、予算編成は前年の8月頃に、予算編成方針を全庁的に通知します。これは、来年度予算を編成するにあたって、どのような方針で臨むのかが記載されています。この方針を受け、各事業課は、予算要求のため、各事業の見積りを行います。

併せて、議会の各会派からも予算要望が提出されます。「令和○年度予算に対する要望」のような形で、行政全般について要望書が提出されます。予算編成にあたっては、こうした議会からの要望にも注意することが求められます。

10月頃から、財政部門では、各事業課に対するヒアリングを行います。このヒアリングは、首長が部長に対して行うものや、財政課長が各課長に対して行うもの、財政課の職員(査定官)が事業課の職員に対して行うものなど、様々なレベルで実施されます。

このヒアリングを踏まえ、財政部門は要求に対する査定を行いますが、この査定も財政課職員の査定、財政課長の査定、財政担当部長の査定、副市長の査定、市長の査定のように、様々な段階を経ます。

なお、査定の後、財政部門は各事業課に内示を行いますが、削減された予算について、復活要求という形で改めて要求することもあります。

なお、首長の査定は、政策的経費や特に留意すべき事業など、限られていることが一般的です。事業課の消耗品費などについては、財政課長以下の査定で済ませてしまいます。

こうしたプロセスを経て、予算案が確定すると、今度は舞台が議会に移ります。首長は議会に予算案を提出すると、予算審議が行われます。通常は、予算特別委員会のような特別委員会が設置され、集中的に審議が行われます。

その後、本会議で改めて予算案に対する議決が行われて、正式に予算が確定することとなり、予算の公表が行われることとなります。

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