62 行政評価 

自治体財政

1 概 要
①行政評価とは、行政活動を評価し、その成果を行政運営に改善につなげていくこと、またそれを制度化してシステム化すること
②行政評価の結果が次年度の予算に反映されるなど、行政評価と財政は連動している

2 行政評価とは
行政評価とは、「行政機関が主体となって、ある統一された目的や視点のもとに行政活動を評価し、その成果を行政運営の改善につなげていくこと、さらにそれを制度化して行政活動のなかにシステムとして組み込んで実施すること」(『行政評価』島田晴雄 東洋経済新報社)となります。

この行政評価は、平成13年の「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(一般的には「政策評価法」)の施行に伴い、国の各行政機関に対して政策評価が義務付けられましたが、自治体においても行政評価の導入が進みました。

3 行政評価のポイント
行政評価のポイントとして、以下の点が指摘できます。

第一に、何を評価するかです。行政活動は、一般に政策(行政の大局的な目的や方向性を示すもの)、施策(政策を実現するための具体的な手段)、事務事業(施策を実現するための具体的な事務事業)という三層になっています。政策を目的とすれば施策はその手段ですし、施策を目的とすれば事務事業はその手段となり、三層がそれぞれ目的-手段という関係でなりたっています。

行政評価では、どのレベルで評価を行うかということがポイントとなります。事務事業のみを評価対象とすることもありますし、施策と事務事業の両方を、または政策も含めて三層全体を評価するという団体もあります。

第二に、誰が評価するかです。これは大きく2つに分かれ、行政機関自身が行う場合(内部評価)と外部の者が行う場合(外部評価)です。内部評価も担当者が行う、上司が行う、他部門が行うなど、方法は様々です。内部評価については行政機関自身が自己評価を行う重要がある一方で、客観性・信頼性をどのように担保するか、という点は重要になります。

また、外部評価についても学識経験者、地域内の団体代表者、住民など、様々な方法があります。外部評価は客観性という点では有効ですが、一方で、評価者が必ずしも行政について詳しいとは限らず、適正な評価となるかということも課題としてあげられています。

第三に、どのように評価するかです。例えば事務事業評価であれば、その事務が効率性、費用対効果、国・都道府県・民間との役割分担などの観点から評価を行います。また施策評価であればその施策の実現度を測るために、指標を設定することがあります。

指標は、アウトプット(行政の活動量。ペットボトルの回収量が年1トンなど)とアウトカム(成果。住民が○○に満足を感じている割合など)が一般的で、この進捗により施策の達成度を判断しようとするものです。

4 行政評価と財政との関係
行政評価は評価して、その結果を反映することが重要です。評価することだけが目的ではありません。

例えば、5年度に4年度の行政評価を行い、その結果を6年度の予算編成に反映するというような形です。4年度決算により事業の執行率や不用額が判明し、事業の進捗率がわかります。また、先のアウトプット・アウトカムの指標により、施策の達成度についても評価が可能となります。

すべての事業が完璧などということはありませんから、問題点や修正点を反映し、次年度の予算に反映するのです。これにより、事業を改善していくことが可能となります。

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