11 フィッシュボーンで要因を可視化する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
本市では人権週間に合わせて、啓発のためのイベントを実施しています。しかし、近年は参加者数が少なくなり、空席が目立つようになりました。このため、人権課の職員で原因について話し合ったところ、「映画や講演がつまらないのではないか」、「日時や会場に問題がある」、「いや広報が十分でない」など、様々な意見が飛び交いました。どれも一理あると思うのですが、どのように整理すれば良いでしょうか。

2 解決法
フィッシュボーンで要因を可視化しましょう。

フィッシュボーンとは、文字通り、魚の骨を指します。問題を魚の頭に置き、様々な問題の要因を魚の骨にして、問題を解決していきます。

お悩みで言えば、問題は「集客できない」、骨となる要因は、①映画や講演などの内容、②日時・会場、③広報、などに分類できます。また、この要因はさらに細分化することができ、広報であればホームページ、CATV、市報などと分析することが可能となります。

このように要因を細分化できることから、一番大きな骨(大骨)を「大要因」、その下の中骨を「中要因」、さらにその下の小骨を「小要因」といったりします。

こうして詳細に魚の骨を描くことにより、「どこに問題の要因があるのか」を可視化し、関係者で問題の構造を共有します。そして、問題解決につなげます。

なお、フィッシュボーンは、フィッシュボーン・ダイアグラム、フィッシュボーン・チャート、または特性要因図と呼ばれることがありますが、いずれも同じ内容です。

3 活用例
①事件・事故の原因分析
例えば、施設内の事故の原因を解明したい場合、大きくはハード(施設)とソフト(非施設)に分類できます。そしてハードであれば、施設の場所別、定期点検の期間別などが、ソフトであれば、組織体制、職員間の連携、職員の意識、などに分類することができます。

②目標未達の原因分析
例えば、財政の適正水準と言われる経常収支比率70~80%を達成できなかった場合、なぜ達成できなかったのかを、財政の基本要素である①歳入、②歳出、③基金、④地方債から分析します。

4 ワンポイントアドバイス
フィッシュボーンは、「日本の品質管理の父」と呼ばれる石川馨氏が1956年に考案したものです。同氏は、品質管理(Quality Control)を向上させるQCサークル活動を展開した人物として知られています。

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