13 KJ法でグループ化して整理する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
毎年実施する市民世論調査では、無作為抽出で選ばれた市民に質問項目に従って回答してもらいます。ただ、最後に自由意見欄があり、その集計に困っています。市に対する提案もあるのですが、単なるクレームと思えるようなものや、「幸せになりたい!」と意味不明なものまで、様々です。課長から、「自由意見も見やすくまとめてくれ」と言われているのですが、どうしたら良いでしょうか。

2 解決法
KJ法で大量の意見・アイデアを付箋でグループ化して整理しましょう。

KJ法とは、考案者である文化人類学者・川喜多二郎氏のイニシャルから命名されたものです。手順としては、①様々な意見・アイデアを付箋に書きだす、②類似した内容の付箋をまとめて、グループ名をつける、③類似したグループを近くに置いたり、グループ間を線で結んだりして図解化する、④グループ化・図解化したものを文章化する、となります。

こうした一連の作業を行うことで、今までまとまりのなかった付箋が、グループ化されて整理することができます。お悩みで言えば、福祉、防災などの各行政分野別の他、クレーム、他の行政機関に関わるもの、意見として認められないもの、などが考えられます。

このKJ法は、グループワーク研修などでもよく活用されます。例えば、「市の魅力を高めるためには」とのテーマに対して、すべての参加者がアイデアを大量に出し合います。そして、グループとして意見を集約する際に、KJ法を活用するのです。これにより、グループ内の意見をまとめ発表することが可能となります。

3 活用法
①対応策の検討
「施設利用者の減少を食い止めるための対応は?」など、係や課で何か問題が発生してしまい、その対応策を職員で検討するような時にKJ法を活用します。なお、KJ法の活用にあたっては、職員が遠慮してアイデアを言わないのでは建設的な議論になりませんので、気軽に意見できる環境づくりも重要です。

②新規事業の検討
例えば、課長から「認知症対策として、何か新たな事業ができないだろうか」のような抽象的なテーマが出された場合、このKJ法を活用し、職員から様々アイデアを出してもらいます。多くの職員が意見を出すことで、職員の新規事業への参加意識も醸成されていきます。

4 ワンポイントアドバイス
川喜多二郎氏が文化人類学の様々なフィールドワークにより集まった膨大な情報をいかにまとめるかを検討した結果、このKJ法が誕生したと言われています。

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