10 ガントチャートで流れ・時間を可視化する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
地域振興課では、市の最大イベントである「市民まつり」を担当しています。市民まつりは、地域振興課の職員はもちろんこと、全庁的に応援職員を募るとともに、町会・自治会、警察・消防・NPOなどの関係機関などと連携して実施しており、作業量がとても多いのです。しかし、今年異動したばかりで、「誰が、いつまでに、何を行うのか」がよくわかりません。わかりやすくまとめるには、どうしたら良いでしょうか。

2 解決法
ガントチャートで流れ・時間を可視化しましょう。

ガントチャートは、作業内容を縦軸に、時間を横軸にして、それぞれの作業内容を開始から終了まで線にして示します。これにより、「いつまでに、何を行うのか」が明確になります。また、それぞれの作業内容の担当者・担当部署も付記しておけば、役割分担も明確になります。

1つの作業内容に対して、線を2つ書くこともあります。この場合、上に当初予定を、下に実際の日程を明記すると、当初予定と実際を対比することができ、作業の遅れなども一目瞭然です。

また、作業の大幅な遅れなどにより、当初予定を抜本的に作り直す必要がある場合は、ガントチャートそのものを書き直す必要があります。このため、ガントチャートの作成日も併せて掲載しておき、「いつ時点の予定なのか」を明示しておきます。

なお、ガントチャートは、一目で全体の工程が理解できること、作業工程が論理的につながっていることが必要です。それぞれの作業内容の接続や関係が不明瞭だと、「なぜ作業Aの後に、作業Xを行うのか」といった疑問が出てきてしまいます。

3 活用例
①引継ぎ資料
ガントチャートには、作業工程を「見える化」する効果があります。例えば、異動してきた職員に対して、担当してもらう業務フローをガントチャートにしておけば、前任者はいちいち口頭で細かく作業内容を説明しなくても済みます。

②年間予定表
係や課などの組織単位の年間予定表として、ガントチャートは活用できます。これにより、各職員が「いつ、何をすべきか」が明確になります。また、「この時期は忙しいので、係全体で応援体制を組もう」、「8月は余裕があるので、積極的に有給休暇を取得しよう」など、前もって予定を立てることができます。

4 ワンポイントアドバイス
ガントチャートと同様に、イベントや事業の実施にあたり、必要な作業を分解し、工程を分析する手法としてPERT図があります。

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