39 FAQでビギナーをエキスパートにする

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
係長から、「私道整備事業の内容を変更するので、市民向けにわかりやすい説明をホームページに掲載してほしい」と依頼されました。どのように作れば良いでしょうか。

2 解決法
わかりやすく説明するため、FAQを活用しましょう。

FAQは、住民から質問されそう事項をまとめ、ホームページや住民説明会の資料に掲載するものです。Frequently Asked Questionの略で、顧客から寄せられることの多い質問という意味です。「よくある質問」「よくあるお問い合わせ」といったタイトルで、ホームページに掲載されています。

このFAQは、その情報を良く知らないビギナーを、エキスパートにする役目を持っています。このため、質問をどの順番で並べるかなどには注意が必要です。具体的なポイントは、以下のとおりです。

①まず全体像(総論)を示し、次に個別事項(各論)を書く
FAQを読むのは、内容を十分に理解していない人ですから、まずは紹介する制度の概要など、全体像を示すことが必要です。その後に、個別の内容を説明します。

②すぐに質問を見つけられるように目次をつける
目次がないと、多くの質問項目から該当部分を見つけるのが大変です。このため、冒頭に目次をつけます。

③住民目線で考える
質問は、「何も知らない住民は、どう思うか」と住民目線で考えることが重要です。つい役所目線で質問を考えてしまうので、注意が必要です。

3 活用例
①ホームページに掲載
お悩みのように、制度の変更があった場合などは、ホームページにFAQを掲載するのが一般的です。この場合、目次には質問の一覧があり、質問項目にリンクが貼ってあると、利用者にはとても便利です。

FAQが別添のPDFファイルなどになってると、案外、該当箇所を探すのに時間がかかってしまうので、注意が必要です。

②周知用の資料として窓口に設置
マイナンバー制度のような新しい制度を紹介する時にも、このFAQは有効です。ただし、詳しい内容を盛り込みすぎて、あまり厚い資料にしてしまうと、住民は読む気を失ってしまいます。気軽に読めるように、質問を厳選するなどの工夫が必要です。

4 ワンポイントアドバイス
FAQは、担当者が原案を作成した後、複数の職員で検証することで精度がより高まります。原案段階で、「この質問は、専門的でわかりにくい」「詳しくない住民には、そもそもこの質問の意味がわからないのでは」などと、改善点を指摘してくれるからです。これにより、より住民目線に立ったFAQに仕上げることができます。

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