37 点数化で説得力を高める

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
課長から、LGBTの啓発事業を検討するように指示がありました。そのことを係で話すと、「イベントが良いんじゃない」、「いや、今だったら動画の方が効果的だよ」など、いろいろ意見が出ました。こうした案を比較検討するためには、どのようにしたら良いでしょうか。

2 解決法
点数化してわかりやすく比較しましょう。

新規事業の検討、既存事業の一部変更などで、複数の案を検討することがあります。この場合、いくつかの視点を設けて、それぞれを点数化して比較を行い、最終的な判断・選択につなげます。

お悩みのように、LGBTに対する市民の意識を啓発するために、①イベントの開催、②動画の作成、③パンフレットの作成、のそれぞれについて、経費、対象住民数、効果などの視点から点数(例えば0~5点)で評価を行い、合計点の高いものを選択するという方法です。

この点数化では、次の点に注意が必要です。
①恣意的な評価にしない
コストならば「100万円以上は0点」のような客観的な基準があれば明快です。基準作成が困難でも、恣意的な評価は不可です。

②簡潔明瞭にする
重要な視点は、他の視点と異なり点数を倍にするなどの加重をかけることも可能です。しかし、あまり複雑だとわかりにくくなります。

③点数化はあくまでたたき台にする
点数化は、担当者がつくるたたき台に過ぎません。最終的には、上司や組織全体で判断することとなります。

3 活用例
①新規事業の検討
点数化が最も使用されるのは、お悩みのような新規事業の比較です。この場合、上記の例にもあるように、経費(高額なほど低評価、もしくは費用対効果の「割高」「割安」で判断)、対象となる住民数(イベントならば参加者数など)、効果(一過性か、継続性があるか)などが視点になります。

②事業者の選定
この点数化は、事業者選定でもよく活用されます。例えば、イベントの内容について複数の事業者から提案があった場合には、選定委員会を組織して、複数の委員が採点して決めるのが一般的です。こうした際、どのような評価項目にするのかが、それぞれの満点はどのくらいにするのかなど、情報公開に耐えられる内容にしておく必要があります。

4 ワンポイントアドバイス
点数化は、文章で表記するメリット・デメリットよりもわかりやすくなります。また、点数化でなく、「○、△、×」のように簡略化して評価することもあります。

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