36 メリット・デメリットで効果とリスクを明確化する 

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
新型コロナウイルス感染症の影響のため、例年実施している自主防災組織のリーダー会議をオンラインで実施してはどうか、との案が出されました。確かに感染を防げますが、リーダーには高齢者が多いので無理があるような気がします。どのように考えて決定すべきでしょうか。

2 解決法
メリット・デメリットで効果とリスクを明確化しましょう。

新規事業を企画する、既存事業を一部変更する、トラブルへの解決策を検討する、事件・事故への対応を考えるなど、自治体は常に判断を求められているといっても良いでしょう。

このように何かしらの判断・選択が必要な場合、メリット・デメリットを明確にしておく必要があります。その理由は、以下のとおりです。

①より良い選択・判断ができる
メリット・デメリットを考えることは、その内容を様々な観点から検討することになります。単なる思いつきや、その場の勢いで決めるわけではないので、より良い選択・判断が可能となります。

②リスクを共有できる
メリットだけで、全くデメリットがないことは、まずありません。また、複数案を比較した結果、積極的に採用できる案がなく、消極的に採用せざるを得ないこともあります。このように、デメリットを明確にしておけば、組織全体でリスクを共有することにつながります。

③新たな案をつくる材料になる
メリット・デメリットを考えていくと、「これならば、こうした案の方が良いのでは」と新たな案をつくることにもつながります。

3 活用例
①複数の新規事業案を比較する
認知症対策の事業を複数考えた場合、それぞれの案についてメリット・デメリットを考えます。この場合、先の「ヒト・モノ・カネ」で比較するとわかりやすくなります。

どれも一長一短があり、判断に悩む場合でも、比較することで、組織全体でリスクを共有できます。

②既存事業を一部変更する
お悩みのように、既存事業を一部変更する場合にも、メリット・デメリットの視点は有効です。仮にオンライン会議にすると、「ネットが使えない」などの苦情が来る可能性もあります。しかし、通常の対面会議でも、「このような時に、多くの人を集めるのか」とやはり苦情につながってしまうかもしれません。

この結果、どちらかの案を選ぶかもしれませんし、「今年は書面会議にしよう」と新たな案が生まれることもあります。

4 ワンポイントアドバイス
担当者がたたき台をつくり、皆で検討し、内容を深めていきます。

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