5 ロジックツリーで構成要素を分解する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
先日受講した主任研修の中で、「市の財政を良くするために、何を行うべきか」というグループワークがありました。職員からは、「活用していない市有地を民間企業に貸し出す」「在宅勤務を推進して、職員の通勤手当を削減する」「クラウドファンディングを実施する」など、様々な意見が出されました。講師の財政課長からは、「単にアイデアを出しっぱなしにするのでなく、それぞれの提案を整理して、体系化できないだろうか」と意見がされました。

2 解決法
ロジックツリーで、様々な構成要素を体系化・構造化しましょう。

例えば、「体重を減らす」との目的に対して、①食事量を減らす、②運動する、と2つの手段が考えられます。また、①食事量を減らすためには、朝食を減らす、昼食を減らす、夕食を減らす、の3つの手段が考えられます(主食を減らす、間食をへらす、など別の分類も考えられます)。

このように、目的に対して手段があり、次にその手段を目的と捉えて、さらにその下の手段を考えていくと、それぞれの構成要素が体系化・構造化されていきます。これにより、それぞれの構成要素の位置づけを明確にすることができ、目的に対して「何を行うべきか」をはっきりさせることができます。

なお、このロジックツリーを活用する際にはMECEの「モレなくダブりなく」を意識すると、全体を包含することが可能となりますが、必ずしもMECEにこだわる必要はありません。

3 活用例
①総合計画
自治体の総合計画では、このロジックツリーが活用されます。最も大きな目的は基本構想に掲げる将来像の実現となります。その手段として、いくつかの政策があり、政策の下には施策、施策の下には各事務事業が位置付けられます。

②事務改善
ロジックツリーは、原因追求にも有効です。例えば、住民に支給する手当額を間違った場合、①システムの問題、②職員の認識不足などを指摘し、さらにシステムではどのような点が問題だったのかを具体的に追及していけば、問題点が明確になり、事務改善につなげられます。

4 ワンポイントアドバイス
ロジックツリーを活用すれば、異なった階層で議論して話がかみ合わない、「レベル感が異なる」議論を避けることができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました