16 見やすい文書・資料の技術①

文書・資料作成術

公務員が作成する文書・資料には、文字や図表以外にも、様々なテクニックが用いられます。これらのテクニックと知っておくと、読み手に的確に伝えることができます。代表的なものをいくつかご紹介します。

第一に、フローチャートです。これは、簡単に言えば、プロセスの流れを箱と矢印を使って表現した図のことです。よく用いられるのは、「自分はこの給付金の対象になるのか」のように、自分が該当するか否かを知りたい場合などに活用します。それぞれの質問に答えていけば、該当するのか否かがわかるのです。

この他にも、「手続きを行う際に、何をどの順番で行うか」、「保育園の申請にあたり、どのような書類が必要か」なども示すことができます。視覚的にわかるので、とても便利です。ちなみに、「判断をする場合にはひし形の箱で示す」のように、書き方には一定のルールがあります。

第二に、ロジックツリーです。これは、目的と手段を体系化したものです。例えば、「市の財政を改善する」が目的とし、その手段を「歳入を増加する」と「歳出を削減する」の2つにしたとします。

そして、次に「歳入を増加する」を目的とし、その手段として「税の徴収率の向上」と「市有財産の活用(売却等)」とします。さらに、「税の徴収率の向上」を目的として、「コールセンターの設置」などを手段とします。このように、「目的-手段」の関係で整理していくわけです。これにより、目的と手段を体系化して説明できるとともに、何を行うべきかが明確になります。

 第三に、PDCAです。これは、PLAN(計画)-DO(実行)- CHECK(検証)-ACTION (改善)という一連の流れのことを示します。自治体ならば、「新規事業の計画 → 事業の実施 → 事業の検証 → 次年度に向け改善」などが一般的です。

読み手に対して、単に事業をやりっぱなしにするのでなく、経年的に改善していくことを示すわけです。このPDCAを使って説明することで、予算要求にあたり財政課を効果的に説得することができます。

第四に、ポートフォリオです。これは、縦軸と横軸で4つに分類することで、事業の位置づけを明確にしたり、経年的な変化を表したりすることが可能となるものです。

例えば、研修のメニューについて、経費と受講者数の2軸で示すことができます。そうすると、
①経費が高くて受講者数も多い
②経費は高いが受講者数は少ない
③経費や安いが受講者数が多い
④経費も安く受講者数も少ない
…の4つに分類できます。これにより、それぞれの研修がどこに位置づけられるか、を示すことができます。また、ある研修が、だんだんと受験者数が減少したために、①から②に位置づけが変化したという、経年的な変化も表現することができます。

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