17 見やすい文書・資料の技術②

文書・資料作成術

前回に引き続き、見やすい資料の技術です。

第五に、グラフです。棒グラフ、折れ線グラフなどは、よく用いられます。これ以外にも、帯グラフ(構成比を比較する)、ヒストグラム(データの散らばり具合を見る)、レーダーチャート(複数の指標をまとめてみる)、散布図(2種類のデータの相関を見る)などがあります。これらは、無理に使う必要はありません。例えば、「小学生の体力測定結果は、レーダーチャートを使う」のように、だいたい自治体で使う場面は決まっています。

第六に、数式です。例えば、昇任試験の結果を表にするとします。この場合、①対象者数(A)、②申込者数(B)、③申込率(B/A)、④受験者数(C)、⑤ 受験率(C/B)、⑥合格者数(D)、⑦合格率(D/C)、⑧昇任率(D/A)とします。このように、A~Dを用いて数式で示すことにより、それが何を示しているのかが一目で理解できます。いちいち文字で説明する必要がなくなり、読み手にとってわかりやすい文書・資料となります。

第七に、写真・イラストです。これは、「7 資料の基本構造②」のカラー・白黒の部分でも少し触れましたが、文字で説明するよりも、わかりやすいことがあります。例えば、写真であれば、簡易トイレなどの防災機材、公園などで用いる遊具などがあります。ただし、これらを用いる際には著作権に注意が必要です。また、写真がなくても、書き手が「このような感じです」とイラストで示すこともあります。住民向けの広報誌などでも、イラストを活用することがありますが、これも見やすさの工夫の一つと言えます。

第八に、時系列です。例えば、新たに行政計画を作成する場合、A3判1枚ヨコ型で示すとします。この場合、左には過去の状況、中央には現状とそれを取り巻く環境、そして右側には将来に向けた今後の取り組み(計画)を示すと、過去・現在・未来が一目でわかります。また、その行政計画の各分野がそれぞれどのように変化していったのかも、対応する部分を見れば比較できます。

第九に、注釈・吹き出しです。注釈は、用語の定義、注意点など補足的な説明に用いるものです。また、吹き出しは、本来は漫画の登場人物のセリフを表現するために用いるものですが、公務員の文書・資料では、先の注釈と同様の使い方をします。ただし、注釈も吹き出しも多用すると、かえって見にくく、わかりにくくなってしまいます。このため、限定的に使用した方が効果的です。

以上、見やすい文書・資料の技術です。これらは、いつも使用するというものでなく、文書・資料の内容に応じて、活用することになります。「どこで活用すれば良いか、わからない」と感じるかもしれませんが、そのような時はホームページに掲載されている他自治体の資料や、職場で使用されていた過去の資料などを参考にすると良いでしょう。

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