6 資料の基本構造①

文書・資料作成術

資料を作成するにあたり、おさえておくべきポイントに以下のような点があります。

第一に、形式・分量です。これは、基本的にA4判1枚です。なぜ、A4判1枚が良いのでしようか。それは、読み手が一枚で内容の全体像がわかることと、読み手が一回で理解する分量としては適当であることが挙げられます。やはり、用紙が2枚、3枚になると、なかなか読むのも大変になります。このため、書き手としては、できるだけA 4判1枚に収めるようにします。「とてもA 4判1枚では、入りきらない」と考える方も多いと思うのですが、大胆に文字を削ってみても、案外問題ないことがわかると思います。これまで述べてきた「読み手に何をしてほしいのか」とも関係します。 

もちろん、2枚、3枚と分量が増えてしまうのが絶対にダメというわけではありません。しかし、できるだけA 4判1枚に収めるようにしましょう。また、場合によってはA3判1枚にしでも構いません。図表を活用したり、高齢者に配慮して文字を大きくしたりする場合には、A3判1枚にした方がA4判2枚より見やすいこともあります。

第二に、構成・見出し(項目)・階層です。まず、構成ですが、基本は「最初に結論や概要を書き、その後に理由や説明」です。読み手としては、「結局、この文書・資料は何が言いたいのか」をすぐに知りたいのです。このため、冒頭で文書・資料の結論や概要を書いた方が理解しやすいのです。また、最初に結論・概要があることで、「なぜ、そのような結論なの?」といった読み手の興味を引 くことができます。反対に、資料の冒頭が「経緯」などから始めると、読み手は書き手の意図がわからず、いら立ってしまいます。

また、項目は「1 概要 2 経緯…」の1や2に相当するものです。これは3、4項目が適切です。いわゆる起承転結、序破急とも共通します。読み手が理解しやすいストーリー展開にして、読み手を導くことが求められます。また、階層ですが、これは「4 今後の課題 (1)議会への説明 ①委員会報告」のように大項目、中項目、小項目となるものです。この階層で使うものとしては、「1 ー(1)ー①ーア」がよく使われます。この使い方に決まったものはありませんが、書き手としては自分なりのルールを決めておいた方が、資料作成の度に悩まなくて済みます。

第三に、レイアウト・余白です。A4判タテでは、上から下に項目が進みます。しかし、A 3判ヨコであれば、左から右に書く時系列型、左上・右上・左下・右下の4項目を順番に書くZ型、左上・右上・下全体の3項目にする結論重視型などがあります。これらは、内容によってレイアウトを決めるのが一般的です。

また、いずれのサイズを使っても、用紙の上下左右に余白を確保しておくことが必要です。これは、読み手がメモを書けるスペースが必要なためです。いくらA 4判1枚に収めるといっても、 こうした余白スペースをなくして、無理に1枚に収めると読み手はメモができずに、困ってしまいます。

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