7 資料の基本構造②

文書・資料作成術

前回に引き続き、資料作成にあたりおさえておくべきポイントです。

第四に、文字の大きさ・デザイン(フォント)です。文字の大きさ(サイズ) は文字ポイントとも言われますが、これは読み手によって変えていきます。住民であれ、職員であれ、高齢者が多いのであれば大きなポイントを使うことになります。係員同士では問題なくても、老眼の課長や部長に「こんなサイズでは読めない」と言われてしまうことがあるので、注意が必要です。

また、文字のデザイン(フォント=書体)にも工夫が必要です。一般的には、タイトルと大項目(「1 概要」など)はゴシック体、その他は明朝体が使われます。これは、ゴシック体はすべての線が同じ太さで遠くからでも見やすいので「見る文字」、明朝体は横が細く縦が太く美しいので「読む文字」とされているからです。

第五に、下線・太字・斜字の活用です。これらをあまり多用すると見にくくなってしまいますが、上手く使えば読み手にとっても効果的です。一般に、下線は長い文を強調するとき、太字は短い用語・フレーズを強調するとき、斜字は英字を強調するときに用いられます。

第六に、表現です。基本は、できるだけ短文・箇条書きを用いることです。これは、読み手の立場になれば、わかると思うのですが、複数行にわたる長い文章 を一気に読むのは大変です。理解にも時間がかかります。この場合、箇条書きで並べて書いてある方が、1つ1つが理解しやすく、また前後のつながりも明確になります。また、一般的には、敬語、二重否定は用いません。

ちなみに、1つの文書・資料には、同じことを2度書かないことが原則です。2回書くということは、それだけ内容や表現が整理されていないことになります。文字数も増えてしまいます。もちろん、重要な内容を強調したいために、文書・資料の冒頭の概要と、最後のまとめのところで2回書くこともあります。しかし、そうしたケース以外では、基本的には同じことは2回書かないように注意します。

また、事実と意見は明確に区分して書くことが重要です。例えば、行政視察で視察先の担当者から受けた説明と、視察に行った職員の意見を一緒に書いてしまうと、読み手はどこまでが視察先での説明なのかが判断しづらくなってしまいます。このため、「3 〇〇市の説明 4 行政視察により参考となった点」など、分けて書いた方が正確に伝わります。

第七に、カラー・白黒です。一般的に、文書・資料はモノクロの白黒です。しかし、写真や色別のグラフを掲載するような場合は、カラーにします。文章で説明するよりも、写真を掲載した方が、読み手は一目で理解できることがあります。例えば、簡易トイレなどの防災機材、公園などで用いる遊具などです。ただし、これらを用いる際には著作権に注意が必要です。

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