48 国地方係争処理委員会と自治紛争処理委員

地方自治法

<ポイント>
①国と自治体との間に、または自治体間(都道府県と市町村との間も含む)に争いが生じた場合、公平・中立な第三者機関によって紛争の解決が図られる
②国と自治体との間の争いについては国地方係争処理委員会が、自治体間に争いについては自治紛争処理委員が、それぞれ紛争の処理を行う

1 紛争の処理とは
国と自治体との間に、または自治体間(都道府県と市町村との間も含む)に争いが生じた場合、公平・中立な第三者機関によって紛争の解決を図るもの

国と自治体との間の争いについては国地方係争処理委員会が、自治体間に争いについては自治紛争処理委員が、それぞれ紛争の処理を行う

2 国地方係争処理委員会と自治紛争処理委員の比較

  国地方係争処理委員会 自治紛争処理委員
対象事件 関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるもの、不作為、協議 ・自治体間の紛争
・都道府県の関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるもの、不作為、協議
構  成 5人 3人
任  期 3年 事件ごと
任  命 両議院の同意を得て、総務大臣が任命 総務大臣又は都道府県知事 (ただし、関係する大臣又は都道府県の委員会・委員に協議が必要)

3 国地方係争処理委員会
(1)概要
国地方係争処理委員会は、普通地方公共団体に対する国の関与に関して不服のある地方公共団体からの審査の申出を受け、当該国の関与について審査を行う。

国の関与が違法又は不当であると認められる場合には、国の行政庁に対して必要な措置を講ずべき旨の勧告等を行う。

(2)審査の流れ
①国の関与
②関与から30日以内に、自治体が国地方係争処理委員会に審査の申出
③申出から90日以内に、国地方係争処理委員会が国に勧告等を実施
④勧告に不服があるときは、自治体は高等裁判所に訴訟の提起ができる

4 自治紛争処理委員の処理の流れ(都道府県の関与の場合)
(1)概要
自治紛争処理委員は事件ごとに任命され、市町村に対する都道府県の関与に関して不服のある市町村からの審査の申出を受け、当該都道府県の関与について審査を行う。

都道府県の関与が違法又は不当であると認められる場合には、都道府県の行政庁に対して必要な措置を講ずべき旨の勧告等を行う。

なお、自治体間または都道府県の関与に関する紛争においては、自治紛争処理委員による調停も行われる。

委員は調停案を作成して、当事者にその受諾を勧告することができる。

(2)審査の流れ
①都道府県の関与
②関与から30日以内に、市町村が国(総務大臣)に審査の申出
③国(総務大臣)は自治紛争処理委員を任命し、審査に付する
④申出から90日以内に、自治紛争処理委員が都道府県に勧告等を実施
⑤勧告に不服があるときは、自治体は高等裁判所に訴訟の提起ができる

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