29 専決処分 

地方自治法

<ポイント>
①専決処分とは、本来は議会の議決を要する案件について、特別の理由がある場合に、長の判断で議会の議決に代わる意思決定を行うこと
②専決処分の具体的要件には、議会が成立しないときなど5種類がある

1 専決処分とは
専決処分とは、本来は議会の議決を要する案件について、特別の理由がある場合に、長の判断で議会の議決に代わる意思決定を行うこと

特別の理由とは、議会において議決すべき事件を議決しないときなどを指す。

2 専決処分の具体的要件
専決処分の具体的要件は、以下のとおり。

①議会が成立しないとき
在任議員の総数が議員定数の半数に満たない場合

②自治法113条ただし書きの場合において、なお会議を開くことができないとき
113条のただし書きは、出席議員が除斥のため半数に達しない場合、同一事件について再度招集してもなお半数に達しない場合等については、出席議員が議員定数の半数に達しなくても会議を開くことができるとされている。

しかし、この場合でも議長の他に会議録署名議員として最低2名以上の出席が必要となる。このため、会議を開くには議長を含めて最低3人が出席することになる。

③長において議会の議決すべき事件について、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき

④議会において議決すべき事件を議決しないとき

⑤議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したもの

3 専決処分の報告
長が専決処分を行ったときは、次の議会に報告する必要がある。

上記①~④については議会に承認を求める必要があり、議会は承認の可否について議決を行う。

しかし、議会の承認が得られなかったとしても、その処分の効力には影響がないと解されている。

ただし、条例・予算の専決処分について議会が不承認した場合は、長は必要と認める措置を講じ、議会に報告しなければならない。

⑤については、あらかじめ議会の了解を得ているので、議会に報告するが、承認の必要はない。

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