33 費用対効果から事業の妥当性を証明する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
予算要求に関するヒアリングがありました。財政課の担当者から、「この事業の費用対効果は?」と聞かれてしまいました。要求内容は、施設改修、住民向けパンフレットの印刷、またコピー用紙などの内部管理経費など、多岐にわたるのですが、どのように説明すれば良いでしょうか。

2 解決法
費用対効果から、事業の妥当性を証明しましょう。

費用対効果とは、文字通り費用に対する効果ですが、簡単に言えば「事業に要する費用(予算)に対して、事業の効果(成果)は適切か」ということです。コストパフォーマンスとも言います。

お悩みのように、実際に財政課から説明を求められることが多いのですが、次のような方法があります。

①できれば効果は数値で示す
「世論調査によると、防災グッズの配付を求める市民が○%いる」のように、効果を数値で示せれば明快です。しかし、それが困難な場合は、「他自治体で実施して成果があった」、「複合施設は、単独施設よりも利用者増が見込める」のように数値以外の比較などで成果を説明します。

②同じ効果でも、費用が安い
例えば、コピー機を導入する場合、同じ機能のものを複数提示して、価格が安いことを主張します。「他自治体でも同様の事業を実施しているが、それよりも安価」なども理由になります。

③同じ費用でも、効果が大きい
職員が残業して発生する超過勤務手当と外部委託費用を比較し、ほぼ同額ならば、「職員の負担が減るだけ得だ」などと説明できます。

3 活用例
①システム改修経費
システム経費は、単に導入経費(イニシャルコスト)だけでなく、導入後の維持経費(ランニングコスト)も含めて、全体で考える必要があります。維持経費には、保守委託、今後の改修経費なども含まれます。このため、導入経費だけで判断すると、結局割高になることもあります。

②1人あたりの費用で考える
例えば、IT研修を100万円の予算で実施したとします。この場合、100人の職員が参加すれば1人1万円の費用になりますが、50人では1人2万円になってしまいます。このように、予算全体でなく1人あたりの費用などからも効果を説明することもできます。

4 ワンポイントアドバイス
財政課の職員が、費用対効果の根拠を求めることはよくあります。これは、担当者が上司に査定の根拠とするためです。このため、資料を求められた場合は、面倒がらずに担当者に協力した方が、結局は予算が通りやすくなります。

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