31 4つの視点で事業の効果・影響を考える

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
保育園や幼稚園などの施設に通わず、在宅で育児している世帯に対する新規事業を検討することとなりました。いくつかアイデアを考えるのですが、「それでは保育園児の世帯と均衡がとれていない」、「そのような事業は、かつて市長が議会で実施しないと答弁していた」など、課長からダメ出しばかりされて、八方ふさがりの状態です。どのような視点で新規事業を考えれば良いでしょうか。

2 解決法
4つの視点で、事業の効果・影響を総合的に検証しましょう。

新規事業を考えたり、既存事業の内容を変更したりする場合、その効果や影響について十分考えた上で、実施することが必要です。その際に、重要なのは4つの視点です。

①住民視点
そもそも住民サービスの向上に寄与する内容か、特定の住民だけの利益にならないか、不利益を被る住民はいないか、などを考慮します。

②首長視点
全庁的視点とも言えます。他部署で類似事業を実施していないか、他の事業と比べて均衡がとれているか、などを考慮します。

③議員視点
地域的なバランスが取れていない、与党会派の主張と異なる、特定議員の手柄になっていないか、などを考慮します。

④職員視点
事務の軽減、コストの削減、超過勤務の縮減など、職員にとってメリットやデメリットがないか、などを考慮します。

3 活用例
①予算要求の根拠
4つの視点は、予算要求の説明でも有効です。4つすべてにメリットがあれば、財政課もなかなか反対できません。ただし、実際にそのようなことは稀です。「職員の負担は増えるが、住民にとってはこの事業は必要だ」などと説明すれば、説得力が高まります。

②事業の内部評価のツール
係内で事業の検証をする際にも活用できます。一般に、予算要求の書式などは決まっていますが、これら4つの視点を検証する機会はあまりありません。このため、予算要求を提出する前、または事業の見直しなどを行う際に、4つの視点を書き出してみると、事業の内部評価ができます。

4 ワンポイントアドバイス
管理職でないと、議員視点はわかりにくいと思います。しかし、一般職員の時から、議会答弁などに着目して、議員視点に着目すると、業務の執行にとても役立ちます。

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