1 お悩み
来年度の障害者福祉大会の予算要求について、財政課との折衝がありました。財政課の担当者からは、「福祉大会は毎年実施しているけど、担当課としては、この事業効果をどのように考えているの? 単なる前例踏襲ではダメだよ」と厳しい意見がありました。どのように説得すれば良いでしょうか。
2 解決法
KPIを使って、達成すべき目標を数値で把握しましょう。
KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、目標を実現するための重要な業績評価の指標を言います。お悩みで言えば、究極の目標は、住民の障害者に対する差別や偏見をなくす(ゼロする)ことになります。そのための手段の1つとして、障害者福祉大会の実施があるわけです。
ただ、この事業がどの程度の効果があるのかを把握するためには、数値化が必要です。これがKPIとなります。具体的な指標としては、「来場者数」や「参加者の満足度」となどが考えられます。もちろん、指標は1つだけでなく、複数設定することも可能です。
なお、この例で言えば、住民の障害者に対する差別をなくす(ゼロにする)」という最終目標はKGI(Key Goal Indicator)といい、KPIは中間目標と言われます。1つのKGIに対して、複数のKPIを設定することも一般的です。
このように、KGIとKPIは体系化・構造化できますので、最終目標であるKGIが実現できない場合は、どのKPIに問題があるのかを把握することが重要となります。
3 活用例
①行政評価
自治体でKPIを活用している事例としては、行政評価が最も一般的です。総合計画や基本構想に基づき、分野別に政策や施策段階でKGI・KPIを設定し、それに基づき各分野の進捗状況を管理していきます。
②組織目標や施設の管理運営
組織目標であれば、超過勤務の削減、有給休暇の取得率などが、施設の管理運営であれば、光熱水費の削減などが指標となります。
4 ワンポイントアドバイス
KPI実現のために行うべきことをリストアップすると、さらに体系化・構造化ができ、より具体的なアクションプランになります。
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