1 お悩み
市民課では、年度の切り替え時期は転入・転出の届出がたいへん多く、窓口が混雑します。時には、対応する住民の順番を職員が間違ってしまい、住民とトラブルになってしまうこともあります。このため、「銀行にも設置してあるので、受付番号発券機を設置してみてはどうでしょうか」と課長に提案したのですが、「『銀行にあるから』だけでは、理由にならない」と言われてしまいました。課長に納得してもらうためには、どのように説明すべきでしょうか。
2 解決法
演繹法で、論理的に説明しましょう。
演繹法は三段論法とも言われ、ルールと観察事項を組み合わせて、結論を導くものです。有名な例として、「人間は必ず死ぬ」(ルール)+「ソクラテスは人間だ」(観察事項)=「ソクラテスは必ず死ぬ」(結論)があります。このように「ルール」と「観察事項」を分けて考え、「結論」を導くことで、相手に対して論理的に説明することが可能となります。
お悩みで言えば、「自治体は住民に対して、効率的な行政サービスを提供しなければばらない」(ルール)に対して、「窓口が混雑し、住民とトラブルが発生している」(観察事項)を組み合わせ、「トラブルを回避するため、受付番号発券機を導入する必要がある」(結論)と説明するのです。このように説明することで、単に「銀行で導入しているから」と言うよりも、論理的になります。
3 活用例
①予算要求説明
②住民説明会
4 ワンポイントアドバイス
演繹法は、万能ではありません。「効率的な財政運営が必要だ」(ルール)+「生活保護費が急増している」=「生活保護受給者を減らすべき」(結論)では、おかしいなことになってしまいます。演繹法を用いて結論を導いたとしても、それが常識的に誤っていないか、検証が必要です。
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