6 当初予算と補正予算

自治体財政

1 概 要
①当初予算とは、会計年度前に議会に提出され、議会の議決を経て成立する予算で、当該年度の基本的な予算。
②補正予算とは、当初予算編成後に、予算の追加や変更を行う予算。

2 予算の流れ
予算の分類で、最も一般的なものは当初予算と補正予算です。一年を通して予算を考えると、以下のようになります。

例えば、令和4年度予算であれば、4年4月1日から使用するものですから、前年度である令和3年度に決めておく必要があります。また、予算については、当初・補正予算共に、議会の議決が必要です(自治法96条1項2号)。

下の図をご覧ください。歳入・歳出・基金・地方債の4つを用い、当初予算を編成しています。当初予算は、通常は当該年度の基本的な予算となります(4月以降に首長選挙を控えており、首長が決まるまでは最低限の必要な部分だけを編成するなど、本格的な予算編成をその後に編成する場合もあります)。

しかし、この当初予算だけでは、一年間の予算として不十分な場合があります。それは、年度途中に新たに事業を実施することとなった、災害が発生してそのための経費が必要となった、など様々な事情があります。

その場合、補正予算を編成します。補正予算は、このように当初予算編成後に生じた事由に基づき、既に決まった予算に追加したり、変更したりする予算を言います。
 
なお、その際の財源(歳入)は、基金を取り崩したり、前年度からの繰越金を活用したりするなど、様々です。

例えば、一般会計で1,000億円の当初予算を編成したとします。その後、ある事業を実施することとなったため、10億円の補正予算を編成したとします。そうすると、その年度の予算は合計で1,010億円となります。これは、既に決定している予算(額)となり、既定予算(額)と言います。

当該年度の予算全体を考えると、こうした既定予算以外に、予算の流用や、予備費の充当、繰越などがあり、これらすべてを合計したものを予算現額といいます。決算と対比する場合は、この予算現額を用います。

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