1 概 要
①景気を判断する客観的データとして、内閣府の景気動向指数がある
②自治体が活用するものとしては、月例経済報告がある
2 景気を判断するデータ
景気が経済に大きく影響するのは、言うまでもありません。
好景気とは、経済活動が活発になっていることです。自治体からみれば、好景気により、会社の業績が上がる→従業員の給料が増える→納税額が増える→自治体の歳入が増える、という流れになります。反対に景気が悪ければ、会社の業績が下がる→従業員の給料が減る→納税額が減る→自治体の歳入が減る、こととなります。
では、景気を判断する客観的データには、どのようなものがあるのでしょうか。一般的なものには、内閣府の景気動向指数があります。これは、「生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標」(内閣府HPより)となっています。
なお、景気動向指数には、数ヶ月先の景気の動きを示す先行指数、景気の現状を示す一致指数、過去の景気の様子を示す遅行指数の3つに区分されます。
例えば、景気が良くなると企業が雇用を増やすため、「新規求人数」が増えますが、これは景気に先行しますので先行指数となります。また、有効求人倍率は一致指数、家計消費支出は遅行指数などとなります。
3 月例経済報告
しかし、自治体の文書などで、よく引用されるものとしては「月例経済報告」があります。
これは、毎月、内閣府が公表するもので、景気についての公式な見解を示した報告書です。基調判断として、景気の全体的な状況を表すほか、個人消費、設備投資、海外経済などの動向などに言及し、その時点での国の景気に対する見解がわかります。
なお、この月例経済報告は、内閣府のホームページで見ることができます。
4 景気の基調判断
景気の基調判断とは、月例経済報告で示す「景気の総合的な判断」のことをいいます。その内容は、総論で短い文章で景気の現状を示しています。また、各論として輸出・生産・企業収益などの現状にも言及している。
なお、その表現については、足踏み状態にある、弱含んでいる、弱まっている、悪化している、急速に悪化している、厳しい状況にある、持ち直してきている、回復しているなど、毎回微妙なニュアンスが注目されていますが、特にその表現が変わった時は注意が必要とされます。
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