1 概 要
①職員団体とは、職員が勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体または団体の連合体。
②職員団体の職員とは、一般行政職員、教育公務員、単純労務職員が対象となる。
2 職員団体とは
職員団体とは、職員が勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体または団体の連合体をいいます(地公法52条1項)。その性質は、民間企業における労働組合と基本的には同じです。
しかし、民間企業の労働組合と異なり、地方公務員の場合には職員団体としているのは、団結権について民間企業とは異なる取扱いがされるなどの理由があるためです。
例えば、民間企業では労働条件が労使間の交渉で決まるのに対して、地方公務員の場合は、最終的に条例で決定するという勤務条件の決定のしくみが違います。地方公務員における団結権と団体交渉権は、民間企業と異なり勤務条件決定の中心とはならないのです。
また、そもそも警察職員などは団結権が認められないなど、行政の公益性に基づき、地方公務員は民間企業の社員とは異なった取扱いがなされます。こうした違いから、職員団体は民間企業における労働組合とは異なった点があります。
なお、少し細かいのですが、地方公共団体における労働組合といった場合は、地方公営企業職員、地方特定独立行政法人職員、単純労務職員が主体となって構成する団体または団体の連合体をいいます。職員団体の場合、その構成員は一般行政職員、教育公務員が主体となりますので、地方公共団体における職員団体と労働組合の違いは構成員が違うということになります。
3 職員団体を構成する職員
職員団体を構成する職員には、警察職員と消防職員は含まれません(地公法52条2項)。また、企業職員および独法職員についても本条は適用されませんので、ここでいう職員には該当しないことになります。つまり、職員団体の職員は、一般行政職員、教育公務員、単純労務職員ということになります。
また、職員は職員団体を結成してもしなくても構いませんし、職員団体に加入してもしなくても構いません(地公法52条3項)。
これは、いわゆるオープンショップ制といわれ、当該事業者の労働者が労働組合の構成員になることもならないことも自由である制度です。
4 管理職員等
管理職員等と管理職員等以外の職員が、同一の職員団体を組織することはできません(地公法52条3項)。これは、両者の労使関係における立場が違うためです。両者が混在してしまうと、職員団体の御用組合化や、一般職員の団結の切り崩しが行われる可能性がでてきてしまいます、
なお、ここでいう管理職員等とは、次のような者を指します。
①重要な行政上の決定を行う職員
②重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員
③職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員
④職員の任免・分限・懲戒・給与その他の勤務条件または職員団体との関係についての当局の計画・方針に関する機密事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任に抵触すると認められる監督的地位にある職員
⑤その他職員団体との関係において、当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員
管理職員等の範囲は、人事委員会または公平委員会の規則で定められます(地公法52条4項)。
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