49 ラテラルシンキング発想法③ なくす・減らす 

問題解決のためのフレームワーク

【問題1】
見通しの良い、片道1車線の直線道路があります。ドライバーにとっては走りやすい道路なのですが、人通りが少ないことから、信号無視する車も少なくありません。同様に、歩行者も、通行する車が少ないために信号を無視して、横断歩道を渡ってしまうことがあります。このため、よく交通事故が起きてしまうのです。日頃は、歩行者・車とも少ないため、警備員などを配置することも現実的ではないのですが、どのようにしたら良いでしょうか。

【解 答】
答えは、「信号を撤去する」です。信号を撤去することで、歩行者・ドライバー共に周囲を十分注意するようになったのです。歩行者からすれば信号機のない横断歩道を渡ることになりますので、車の存在を確認します。ドライバーも、横断歩道を通過する際には、歩行者がいないかを注意します。

このように、信号をなくすことで、かえって周囲を注意するという心理を活用したのです。このように、既にあるものをあえてなくす、減らすこともラテラルシンキングの視点の1つです。

ちなみに、実際に警察はこのような箇所には、最初から信号を設置しないこともあるようです。地域住民から「歩行者のために信号機の設置を」と求められても、「かえって危険になるから」と断るケースがあるようです。

【問題2】
福祉センターでは、毎年、地域住民も参加できるお祭りを開催しています。その催し物の1つとしてスタンプラリーがあり、参加者に記念品を渡しています。記念品は、企業から提供されたもので10種類以上あるのですが、記念品を選ぶ参加者で会場がいつも混雑しています。企業の記念品はすべて活用して、すべての参加者に配付できるようにしたいのですが、どのようにすれば良いでしょうか。

【解 答】
答えは、「記念品は3種類だけ展示して、なくなったら新たな記念品を追加する」です。これは、人はたくさんの物から選ぶ時には時間をかけてしまうのですが、少ないとすぐに選ぶことができるという人の心理を活用しています。

なみに、これに関連して「ジャムの法則」というものがあります。これは、ジャムを24種類置いた場合と、6種類置いた場合とでは、6種類置いた方が売れるという結果に基づき、選択肢が多すぎると1つのものを選べなくなる心理現象を指します。

また、「松竹梅の法則」というのもあります。これは、商品の値段を高い・真ん中・安いの3種類にすると、真ん中を購入する人が多いという法則です。これは、人は極端を回避する傾向があるため、最も高いもの、最も安いものを無意識に避ける心理を指します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました