48 ラテラルシンキング発想法② 別人になって考える 

問題解決のためのフレームワーク

【問題1】
ある場所に遊歩道がありました。そこでは、親子が散歩を楽しむ姿が見られ、市民の憩いの場となっていました。しかし、最近、近くに大型商業施設ができ、この遊歩道に放置自転車が多発する事態となりました。施設には駐輪場があるのですが、遊歩道に自転車を置く人が後を絶たず、市の担当者も頭を抱えてしまいました。しかし、あるアイデアにより、放置自転車を激減することが可能となったのです、その方法とは何でしょうか。

【解 答】
答えは、「近くの小学生に放置自転車禁止の絵を描いてもらい、遊歩道の路上に貼った」です。遊歩道を利用する子供の視点で、「自転車を置いてはいけない場所に、なぜ大人は勝手に置くの?」という声を反映したのです。

市役所職員の視点だと、警備員の配置、駐輪できないように囲いを設ける、放置自転車禁止の立て札を置くなどの発想になりがちです。しかし、それでは強制的に人を動かそうとするもので、やはり反発してしまう人も出てきてしまいます。それよりも、子供の純真なメッセージの方が効果は絶大なようです。

ちなみに、この方法は多くの自治体で活用されていて、実際に効果を上げているそうです。やはり、子供の絵の上に堂々と自転車を置くのは躊躇してしまうようです。

【問題2】
市民まつりでは、市の様々な部署がブースを出展しています。人権課でも、人権啓発のために啓発冊子とティッシュをセットにしたグッズを配布しているですが、市民の関心はあまり高くなく、ブース内を見学する人もあまりいません。このため、職員がブース前に立ち「人権啓発の冊子をお配りしています」と声をかけて、グッズを配り始めたのですが、やはりあまり受け取ってもらえません。しかし、別な職員が他の言葉で配布したところ、一気にグッズがなくなってしまいました。さて、何と言ってグッズを配ったのでしょう。

【解 答】
答えは、「ただいま、ティッシュをお配りしています」です。市民まつりですから、食べ歩きなどで、手を汚す人は少なくありません。しかし、ティッシュを持参して来場する人も少数です。そうした市民の立場になり、「ティッシュあります」とPRしたわけです。

もちろん、本来の目的は「人権啓発の冊子の配布」ですが、グッズにはティッシュと共に同封されていますので、冊子配布の目的は達成できるわけです。ただ周知方法が、「人権啓発の冊子をお配りしています」から「ただいま、ティッシュをお配りしています」に変わったわけです。「ティッシュで関心を引くなんておかしい」と考えるかもしれませんが、冊子が在庫として残るより、少なくとも市民の手に渡れば読んでもらう可能性が出てきます。

ちなみに、「ただいま、お一人様1個の限定です」とすると、更なる効果が見込まれるかもしれません。

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