39 予算査定 

自治体財政

1 概 要
①予算要求の後、ヒアリング、予算査定が実施される。
②予算査定にあたっては、予算編成方針に合致しているか、類似した事業はないかなどをチェックする必要がある。

2 ヒアリングと予算査定
各部署から予算見積書が提出され、予算要求が終わると、各部署に対する予算要求に対するヒアリングが実施されます。その方法は、自治体によって異なります。

例えば、
①首長が各部長に対して行う
②財政担当課長が各課長に対して行う
③財政課職員が各課の職員に対して行う
というようにいくつかの段階があります。

なお、自治体の予算事務規則には、次のような規定があります。
(見積書等の作成)
第7条 部局の長は、基本方針及び事務処理方針に基づき、その所管する事業に関し、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び債務負担行為の見積に関する書類を作成し、財政担当部長に提出しなければならない。
(原案の作成)
第8条 財政担当部長は、部局の長から提出された見積書等の内容を調査検討し、その意見を聴いて、予算原案を作成のうえ市長に提出しなければならない。
(副市長の調整、予算の決定)
第9条 財政担当部長は、前条の規定に基づき、予算原案を市長に提出しようとするときは、副市長の審査をうけ、その調整を経なければならない。

また、ヒアリングと同様に、予算査定にもいくつかの段階があります。
①財政課の各職員の査定内容を財政課長が査定する
②財政課長の査定内容を財政担当部長が査定する
③財政担当部長の査定内容を副市長が査定する
④副市長の査定内容を首長が査定する

このような段階を経て、予算案が確定します。なお、査定する範囲についてもすべて同じということではありません。首長は政策的経費と、既定経費の大きな変更部分のみ査定するということもあります。

3 予算査定のポイント
予算査定にあたっては、いくつかポイントがあります。事業課では予算要求のポイントに記した内容についてはチェックをしています。当然、財政課でも内容の確認をしますので、それ以外で査定する側のポイントをいくつかまとめてみたいと思います。

(1)予算編成方針に合致しているか
予算編成は、毎年実施しますが、毎年の編成方針によってメリハリが求められます。編成方針でマイナスのシーリングとなっている中では、大幅な予算の増額は困難ですし、新規事業も難しいことになります。

財政課では、予算案が確定した段階で、予算編成方針にどのように対応しているかを検証します。編成方針に合致していないと、方針の意味がなくなってしまうからです。

(2)類似した事業はないか
各事業課は、それぞれ考えて予算要求を行いますが、結果として他の課が実施している事業と類似した事業を要求してくる場合があります。全庁的な視点に立って、予算編成を行うことが必要となります。

財政課内でよく連携が取れていないと、こうした類似した事業を見落としてしまうおそれがあります。このような時、かえって首長の方が詳しく知っていて、「この事業は、○○課の△△というサービスと同じだろ!」と雷が落ちてしまうこともあるので、注意が必要です。

(3)バランスが取れているか
これは言葉としては簡単なのですが、様々な意味があります。例えば、教育、福祉、防災など行政施策全般を見渡したバランス、議会での様々な要望を踏まえた上でのバランス、長期的視点にたった上でのバランスなど、様々なことがあります。

もちろん、メリハリのついた予算ということも重要なのですが、一方ではバランスが取れていることも重要なのです。

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