1 概 要
①予算事前議決の原則とは、当該年度開始前までに、議会の議決を得なければならない原則のこと。
②都道府県及び政令指定都市は30日前、その他の市及び町村は20日前までに予算を議会に提出し、議決を受ける。
③予算事前議決の原則の例外として、法令により負担する経費等に係る首長の原案執行権、首長による専決処分、特別会計における弾力条項がある。
2 予算事前議決の原則とは
予算事前議決の原則とは、当該年度開始前までに、議会の議決を得なければならない原則のことをいいます。
予算は自治体の経費の見積りですので、その年度が始まる前に住民の代表である議会の事前関与として議決を経ておくことが必要であるという原則です。
地方自治法221条にこの原則を規定しており、都道府県及び政令指定都市は30日前、その他の市及び町村は20日前までに予算を議会に提出し、議決を受けるものとしています。
なお、予算が議会に提出されると、議長は本会議に上程します。当初予算を審議する際には、特別委員会が設置され、そこで集中的に審議されるのが一般的です。
3 予算事前主義の原則の例外
予算事前議決の原則の例外として、首長の原案執行権、首長による専決処分、特別会計における弾力条項があります。
(1)法令により負担する経費等に係る首長の原案執行権
議会の議決が法令により負担する経費などを削除または減額する議決等を行った場合、長は理由を示して再議に付す必要があります。
それでもなお、同様の議決を行った場合、長はその経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができます。
(2)首長による専決処分
首長は次の場合、議決がなくても、議会に代わってその事件を処分することができます。
①議会が成立しないとき
②会議を開くことができないとき
③特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき
④議会において議決すべき事件を議決しないとき
予算を専決処分した場合、首長は次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めることが必要です。
(3)特別会計における弾力条項
特別会計のうち、その事業の経費を主として当該事業の経営に伴う収入をもつて充てるもので条例で定めるものについては、業務量の増加により業務のため直接必要な経費に不足を生じたときは、当該業務量の増加により増加する収入に相当する金額を当該経費(政令で定める経費を除く。)に使用することができます。
この場合も、首長は、次の会議においてその旨を議会に報告しなければなりません。
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