1 お悩み
事業者への融資事業を担当しています。手順としては、まず市役所での相談の予約を取ってもらい、そこで融資の可否を判断するため、経営状況などを伺います。融資の可能性がある場合には、必要な書類をそろえてもらい、再度来庁してもらい、申請となります。このように、現状では事業者に2回来庁してもらっています。以前から、この手順らしいのですが、もっと事業者の負担を軽減できないでしょうか。
2 解決法
ECRSで排除・結合・交換・簡素化を試みましょう。
ECRS(イクルス)とは、業務プロセスを改善するための4つの視点を指します。Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字をとったもので、具体的には、以下のとおりです。
①Eliminate(排除):なくせないか?
業務の目的を見直し、不要な業務、なくしても問題ない業務を考えます。
②Combine(結合):一緒にできないか?
複数の業務を、同時に処理できないかを考えます。
③Rearrange(交換):変更できないか?
業務の過程や方法を変更し、効率化できないかを考えます。
④Simplify(簡素化):単純化できないか?
業務の内容を簡素化・単純化して、負担を軽減できないかを考えます。
お悩みであれば、相談と申請を一度にできるようにする、オンライン相談・郵送申請も可能とする、などとすれば事業者だけでなく、職員の負担軽減にもつながります。
3 活用例
①会議録の簡素化
一人一人の発言をすべて記録する逐語版の会議録の作成には、多くの時間と労力を要します。このため、会議録を見直して、要点版の簡易な会議録に変更します。
どうしても逐語版の会議録が必要ならば、業者に作成を委託する方法も考えられます。職員の超過勤務手当を考えれば、その方が安価になることがあります。
②照会文書のテンプレート化
庁内の各部署に照会文書を送付することがあります。この際、回答書式をテンプレート化しておき、エクセルのリストから選択する形式のファイルにしておくと、回答する部署の手間も省けますし、集計も楽になります。
また、全庁共有フォルダに回答用のファイルを置き、そこに入力してもらうようにすると、メールのやり取りも不要になります。
4 ワンポイントアドバイス
前例踏襲の方が楽だと言って、業務プロセスの変更に反対する職員も多くいます。しかし、誰かが着手しないと業務改善は進みません。
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