昇任面接での質問では、現状を踏まえつつ、いかに現実的な回答ができるか、という点がポイントです。表面的な回答では、困ります。
<ポイント>
1 表面的な回答では、面接官は納得しない
2 真の問題は何か
1 表面的な回答では、面接官は納得しない
係長面接で「あなたの係に、与えられた仕事を、いつも期限までに終わらせることができない係員がいます。また、最近では、朝、『午後から出勤する』との電話も多くあり、業務中も集中力がない状況です。あなたは、どのように指導しますか」との事例問題があったとします。
これに対して、受験生が「本人を呼び出し注意します。組織として業務を行っている以上、1人の遅れがその他の係員に迷惑がかかることを説明します。また、休暇取得は事前申請が原則です。当日の朝に電話で頻繁に連絡することは、やはり問題があることを指摘します」などと答えたとします。
この回答を見てお分かりのとおり、受験生は当該係員を問題職員と決めつけて、いきなり注意や指導から入っています。しかし、これは疑問です。この係員の事情を全く聞いていないからです。
実は、この係員は親の介護や金銭などの問題があって、業務に集中できないなどの問題があるかもしれません。また、本人に精神的な疾患や発達障害などの可能性があるかもしれません。
もし、こうした事情があるならば、業務を十分にできない背景を理解できます。そうすると、係長として行うことは、本人への注意ではなく、本人の事情の把握とその対応方法の検討となるはずです。
2 真の問題は何か
これは、あくまで一例です。しかし、この事例のように、問題のとらえ方が表面的である受験生は案外多いのです。
先の理想論とも関係しますが、受験生によっては「良い」と「悪い」の二元論だけで、物事をとらえている人もいるのです。しかし、「事例の本当の問題は何か」は十分追求してから答える必要があります。
先の事例であれば、「当日の朝、遅刻するとの電話が多い」という事実に対しては、例えば、次のようなことが想定できます。
①もともと朝起きるのが苦手
②心配事があってよく寝られないために、朝起きることができない
③ゲームで夜更しするなどの本人の怠惰
このように、様々な事情に思いを巡らせることができるのか、豊かな想像力を働かせることができるのか、は昇任面接では重要なポイントになるのです。
また、事例を因果関係で整理すると、次の事実が判明したとします。①本人が前任者から十分な引継ぎを受けていない → ②期限までに仕事が終わらない → ③ 期限までに仕事が終わらないことを気にして眠れない → ④眠れないので朝起きれず、仕事にも集中できない、です。
このように考えると、最も本質的な原因である①本人が前任者から十分な引継ぎを受けていない、を解消しなければなりません。このように問題の本質は何かを考えることが重要です。
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