公務員が作成する文書・資料のうち、おそらく多くの人が活用するものの1つに想定問答集があります。これは、課長が議会対策用に部下に作成させたり、住民説明会用に職員間で共有したりするものです。いずれの場合であっても、質問を想定し、その回答を整理しておくわけです。これもフォーマットの1つです。
この想定問答集には、一問一答形式とテーマ別形式の2種類があります。一問一答形式は、簡潔な質問とその答えです。WEBサイトにあるFAQを想定してもらえばわかりやすいと思います。この一問一答形式の想定問答集の作成には、いくつかの注意点があります。
第一に、総論(全体像)から各論(個別事項)と質問を並べることです。例えば、新規事業であれば、「この事業の内容は」、「事業の対象者は」などの全体像を示し、その後「申請後、申請者から取り下げの申し出があった場合の対応は」などのように、より細かい内容に質問を並べていきます。
第二に、目次を作成することです。先に示したように、この一問一答形式は質問数が多くなることが多いため、課長がすぐに該当箇所を見つけられるように、目次を整理しておくことがとても重要になります。
第三に、長文でなく、短文・箇条書きを用いることです。せっかく該当の質問を見つけられても、答えが長文では、何度も読み直さなくてはいけません。それでは、「聞かれたことに、すぐ答えられる」という想定問答集の役割を果たしたことになりません。一目で内容がわかることが必要です。
また、テーマ別の想定問答集は、「本市の保育園待機児童対策」のように、質問内容の範囲が広いものです。この場合、答えとしては「①これまでの保育園整備の経過 ②保育園の定員拡充 ③幼稚園の認定こども園への転換」など複数の答えが想定されます。このため、テーマごとにA4判1枚にまとめると見やすくなります。
このテーマ別の想定問答集についても、先の一問一答形式の3つの注意点を意識すると良いでしょう。また、テーマ別ではA4判1枚とスペースもあるため、図表の活用もできます。なお、どちらの形式の想定問答集であっても、どのような問いにするのかは、想定問答集の利用者と作成者の間で認識をすり合わせておくことが重要です。
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