公務員昇任試験における面接対策について説明します。自分自身、係長・管理職のそれぞれの試験でとても苦労してきました。また、その後、管理職になり実際に面接官をする立場になりました。こうした様々な経験を踏まえて、できるだけわかりやすくご説明したいと思います。
<ポイント>
1 なぜ昇任面接試験は行われるか
2 昇任面接で確認される内容
3 小手先のテクニックは通用しない
1 なぜ昇任面接試験は行われるか
昇任選考には、択一、論文の他に、面接があります。現在、昇任を希望する職員が減少しています。このため、受験生の負担を減らすため、択一や論文を実施せず、面接だけという自治体もあります(ちなみに、本人申込制を取らずに、勝手に選考されて昇任者を決定してしまう自治体もあります)。
本稿では、昇任面接について解説していきますが、そもそも、なぜ面接が行われるのでしょうか。それは、公務員採用試験の面接と同様ですが、択一や論文などでは判断できない人間性を見ようとするからです。
2 昇任面接で確認される内容
具体的には、次のような内容を確認します。
係長選考…「係員をまとめられるのか」、「クレーマー対応ができるのか」など
管理職選考…「議会答弁ができるのか」、「課のマネジメントができるのか」など
※ 主任選考で面接を実施する自治体は、あまりないでしょう
現在は、そうした職員はあまり見かけませんが、以前は「とにかく試験に合格さえすれば良い」と日頃の仕事はいい加減で、試験勉強ばかりに夢中になっている職員がいました。また、コミュニケーションに課題があり、住民対応や部下指導ができない職員もいます。
これでは、いくら筆記試験の点数が良くても、人事当局としてはその受験生を昇任させることは不安です。こうした人物像を見極めるために、面接が実施されています。
実際に、昇任選考の実施要綱などには、「問題意識や表現力を評定します」の ように、面接の目的が実施されています。例えば、管理職選考の面接をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
面接官が、突っ込んだ質問をした際に答えられずに沈黙が続いたりすると、「これで実際の議会の委員会で、きちんと答弁ができるだろうか」と、面接官は考え込んでしまいます。
3 小手先のテクニックは通用しない
いくら筆記試験の点数が良くても、人当たりが良くても、議会答弁やマネジメントのような実践の場に対応できなければ、管理職としては適格とは言えません。
係長選考でも、「反抗的な係員への対応」や「悪質なクレーマーが窓口に来たら、どうするのか」といった事例問題で、その受験生の考え方を探り、「実際の現場で、本当に対応できるのか」を検証しようとするのです。
こうした点を考えると、受験生は小手先だけのテクニックでは対応できないことがわかるかと思います。いわゆる教科書のような模範解答を暗記していっても、厳しい面接官の突っ込みに対応するのは難しいでしょう。
自分で考え、自分の言葉で語らないと、面接官を納得させるのは難しくなってしまいます。このため、面接には十分な対策が必要です。
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