52 ラテラルシンキング発想法⑥ 組み合わせてみる

問題解決のためのフレームワーク

【問題1】
年度切替の時期の市民課は、例年、転入・転出の手続きで混雑します。待ち時間も長くなってしまうことから、苦情も多数寄せられてしまうのです。このため、担当職員は少しでも快適に過ごしてもらおうと、何か映像でも流せないかと考えたのですが、「財政状況が厳しい中で、テレビなどを購入する余裕はない」と財政課に反対されてしまいました。しかし、職員はある方法でモニターを設置することができました。そして、住民だけでなく、なんと財政課も喜んだというのですが、それはどのような方法でしょうか。

【解 答】
答えは、「デジタルサイネージを設置して、広告収入を得た」です。デジタルサイネージの設置には、自治体の設置や維持に関わる費用負担はなく、反対に広告収入を得ることができます。なぜなら、広告代理店が広告をしたい業者から費用を徴収するためです。

しかし、映像は広告だけでなく、市からのお知らせ(イベント、防災情報など)やCATVの番組なども放送することもでますので、窓口で待っている市民にとってもメリットがあるのです。自治体からすれば、ただで機器を設置できるだけでなく、収入まであるのですから、これほど良いことはありません。

「窓口で待つ市民」と「お金がない」を組み合わせることで、反対に広告事業を導いたわけです。
ちなみに、デジタルサイネージは、災害時や緊急時には、平常時と異なる被害状況や避難所に関する情報などを流すことも可能です。

【問題2】
ある老人ホームの職員が、入所者たちの生活が単調になっていることを気にしていました。高齢者施設のため、安全第一は当然のことなのですが、やはり刺激が少ないと、入所者たちの衰えが進んでいくようにも感じるのです。

そんなある日、仕事を終えて家に帰ると、小学生の息子がゲームで遊んでいました。その様子はいつものことなのですが、子供が学校と家の往復だけで、閉ざされた人間関係で生活しているようにも思えました。このようなことを考えていると、老人ホームの入所者にとっても、子どもにとってもメリットがあるアイデアが浮かびました。それは、何でしょう。

【解 答】
答えは、「老人ホームにゲームを置いて、子供たちに指導してもらう」です。これにより、入所者にとっては手先の運動になり、また入所者・子供の両者にとって、異世代交流が可能となります。子供たちも好きなゲームで交流できれば、苦ではありません。この両者を組み合わせて考えることで、問題が解決できるのです。

ちなみに、高齢者が学校を訪れて、一緒に給食を食べるような取組を行っている自治体もあります。異世代交流は、両者が楽しめることがポイントのようです。

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