25 ギャップ分析で理想と現実の差に目を向ける

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
市長交代により、新たな基本構想の策定に着手することになりました。その1つとして、全庁的に若手職員を集めて5つのプロジェクトチーム(PT)を編成し、市長を始めとする首脳部に政策提言を行うこととなりました。様々な部署から職員が集められ、1回目の全体説明会があり、PTごとの打ち合わせも行われました。しかし、話し合ってみると、やる気がある職員ばかりでなく、面倒なことはしたくないという職員もいてバラバラです。PTとしてまとまるには、どうしたら良いでしょうか。

2 解決法
現実を正しく認識し、理想実現のための方法を探るギャップ分析を活用しましょう。

ギャップ分析とは、現実(As is)と理想(To be)の差(ギャップ)である「問題」を明らかにしようとするものです。「As is / To be」(アズイズ / トゥビー)とも呼ばれます。

一見すれば、この理想と現実の差を埋めるのは、当然のように思えます。しかし、実際には、その差が見えづらかったり、わかりにくかったりすることが少なくありません。また、そもそも現実と理想をきちんと把握できているのかという問題もあります。

お悩みで言えば、目的は政策提言ですが、「とにかく提出できれば良い」レベルなのか、「できる限り良い内容にする」レベルなのかで、目的は大きく異なります。モチベーションの高い職員も低い職員もいる中で、PTとしてはどこを目指すのか、明らかにする必要があります。

そのためには、各メンバーがどのように考えているのか、現実を理解することが必要です。こうして理想と現実をメンバーが共有できれば、実現のための具体的方法が明らかになります。

3 活用例
①目標の進捗管理
年度当初の目標であっても、状況の変化に伴い、やり方を変えないと達成できないことがあります。「係の残業を減らす」でも、係員が病気になったり、災害が起きたりすれば変更が必要です。このように、絶えず現実と理想、およびその差を把握することで、目標の進捗管理が可能となります。

②行政計画の実効性を高める
例えば、「スポーツできる環境の整備」という抽象的・表面的な行政計画を掲げたとしても、実際に何を行うのかは住民にはわかりません。計画の実効性を高めるため、ギャップ分析で問題を明らかにします。

4 ワンポイントアドバイス
ギャップ分析で導かれた課題に対して、実現可能な解決策だけで考えてしまうと、結果的に効果的でない解決策となることがあります。

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