8 地方税の体系と原則 

自治体財政

1 概 要
①租税には、4つの役割がある。
②地方税は大きく都道府県税と市町村税に分類できる。
③地方税には5つの原則がある。

2 租税の役割
自治体にとって地方税は重要な財源ですが、そもそも租税とは何かについて説明します。租税は法律に基づいて国民や住民から強制的に徴収するもので、公共サービスを提供するための費用です。

租税は、共同社会を維持するための会費ともいわれます。なお、ゴルフ場利用税のように、都道府県が徴収し、市町村に交付金として交付することもあります。

この租税には4つの役割があります。
①財源調達(政府の調達する財やサービスを賄うための機能
②資源配分(資源の配分を変更するための機能)
③所得再分配の手段(所得を再分配するめの機能)
④経済安定化の機能(有効需要を調整し経済を安定化する機能)

3 地方税の体系と原則
下の図にあるように、地方税の体系としては、都道府県税(都道府県に納める)と市町村税(市町村に納める)に分かれます。

また、それぞれに普通税(使い道が特定されていない税)と目的税(使い道が特定されている税)に分類できます。

さらに、普通税は直接税(納税義務者=税金負担者)と間接税(納税義務者≠税金負担者)に区分することができます。

間接税の例としては、例えばたばこ税があり、税金を負担するのはたばこを購入した人ですが、実際にたばこ税を支払う納税義務者は、たばこを販売した小売店などとなります。

なお、国税とは異なり委、地方税の原則として、次の5点があります。
①応益性
地方公共団体の行政サービスは、住民等の利益と直接結びついたものが多いので、地方税の課税にあたっては、応益性も考慮する必要がある。
②負担分任性
地方公共団体は地域共同体である以上、その行政サービスの費用については、住民が負担し合う。このため、広く一般住民が地方公共団体の費用を分担する税制が必要となる。
③普遍性
できるだけ全ての地方公共団体に普遍的に存在するような税源を対象として組み立てられる必要がある。
④安定性
地方税は景気の変動に左右されない安定性の高い税目が望ましい。
⑤伸張性
地方公共団体の仕事は質量ともに増加傾向にあるので、地方税も増加していく経費に対応する収入をあげる必要がある。

【地方税の体系】
1 都道府県税
①普通税…都道府県民税、事業税、地方消費税、不動産取得税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税など
②目的税…狩猟税、水利地益税など

2 市町村税
①普通税…市町村民税、固定資産税、軽自動車税、市町村たばこ税、鉱産税など
②目的税…入湯税、事業所税、都市計画税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税など

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