8 いろいろ口を出すが、決して責任を取らない人

困った公務員の傾向と対策

きっと、皆さんにも思い当たる人がいるのではないでしょうか。会議や打ち合わせなどの様々な場面で、いろいろと口を出すものの、決して自分では責任を取らない人が。

例えば、このような主任です。係会で、来年度の予算要求の検討をしています。そこで、先の主任は、「業務をさらに効率化するために、係内にサーバーを導入すべきだ」とか「データを見ると、昨年の実績が減少してきたので、この事業の要求額を減らすべきだ」などともっともらしい意見を言うのです。

しかし、そもそもそうした意見は「全庁的な情報セキュリティのルール上、勝手なサーバー導入はできない」や「単年度の実績しか見ていない」などで、信ぴょう性に疑問があるのです。そのため、「それは、ちょっと難しいのではないですか」と意見が他の係員から出るのですが、そうすると「これからは前例にとらわれない考え方が必要だ」とか「行政には、大胆な発想が重要だ」とか、謎の精神論を持ち出して、対抗しようとします。

こうしたやり取りが続くと、さすがに他の職員も呆れてしまいます。そこで、「そこまでおっしゃるなら、〇〇さん、情報システム課とサーバー導入について話しをしてきてください」などと言おうものなら、全力で阻止しようとします。「いや、この事業は自分の担当ではない」、「△△さんの方が適任だ」など、様々な理由を並べ立てるのです。

そうです、責任を取るつもりがないのです。つまり、このタイプは、いろいろなところに口を出して、自分の存在感をアピールするものの、全く自分は責任を取ろうとしない、困った人なのです。

こうしたタイプは、実は公務員に多いのです。公務員になる人は、基本的には真面目で優秀な人です。このため、一家言を持っていることも少なくありません。そのため、いろいろな場面に口を出すのです。

しかし、ご存じのとおり、公務員は減点社会ですから、自分が責任者となり失敗することを極度に恐れます。このため、こうした「いろいろ口を出すが、決して責任を取らない人」が、そこかしこに出現することになるのです。

このタイプが上司になってしまうと、部下としては非常に迷惑です。例えば、部下が作成した資料や予算要求の案などに、あれこれ難癖をつけるものの、決して「こうしろ」とは言わないからです。「こうしろ」と言ってしまうと、自分の責任になってしまうので、そうした具体的な指示は避けるのです。そうすると、部下としては何回も資料を修正しても、いつまでもいちゃもんを言われ続けるといったことが起きてしまうのです。

さて、こうしたタイプには、どのように対応したら良いでしょうか。先の上司の場合には、「では、どのように資料を修正したら良いか、具体的に指示してください」と詰め寄るのも1つかと思います。しかし、ひどい上司の場合は「それを考えるのが、君の役目だ」などと、これまた謎の論法で切り返されてしまうこともあります。ですが、どうにかして上司に責任を持たせる策を講じなければならないでしょう。

また、冒頭の口出し主任であれば、まともに取り合わず、ただ聞き流すというのも手かもしれません。そして、「さすが〇〇さんですね、自分にはとても考えつきませんでした」などと、リップサービスして持ち上げておけば、済んでしまうかもしれません。そうしたリップサービスもなく、ただ聞き流すだけにしてしまうと、当の本人がすねてしまうかもしれないので、ご注意を。

コメント

タイトルとURLをコピーしました