12 とにかく威張り散らす上司

困った公務員の傾向と対策

「威張り散らす」とは、むやみに威張る、誰にでも偉そうな態度をとる、勝手気ままに振る舞う、のさばりはびこる、などを指します。どうでしょう、これらの用語を並べると、皆さんにも思い当たる人が、1人や2人いるのではないでしょうか。

このタイプは、周囲の職員にとっては、本当に迷惑です。こうした人は、きちんとしたリーダーシップがあるわけでなく、ただガキ大将の子どものように威張ることが目的です。このため、部下を自分の手足くらいにしか考えていない、発言が常に上から目線、人を見下すなどの態度を平気で取りますので、迷惑千万なのです。

特に、公務員の場合は、昇任に伴って権限も大きくなりますので、こうしたタイプが誕生しやすい環境にあると言っても良いかもしれません。若い頃は、やる気もあって、周囲との関係も良好だったのに、いったん権力を手にしてしまうと、人が変わったように「俺様上司」になってしまうことがあります。

ちなみに、「俺様上司」は男性に限らず、女性職員にもいます。私の知っている、ある女性課長は自席の前に職員を立たせ、長時間にわたって説教したという実績(?)があり、これはもはやパワハラです。

ところで、この「とにかく威張り散らす」型のタイプの心理は、もともとそうしたS(サディスト)の気質を持っていて、加虐行為により相手に苦痛を与えることで興奮を覚えるということもあります。また、自分の人間的な弱さを悟られないように、虚勢を張って、威張り散らしているのかもしれません。

しかし、迷惑を被っている職員にとっては、そうした心理分析よりも、このタイプの人間にいかに対応するのかの方が、より重要な問題でしょう。

対応策としては、3つほど考えられるかと思います。1点目は、様々な手段を使って対抗することです。例えば、人事課や、その上司のさらにその上の上司に「パワハラです!」などと訴えることです。職員団体も相談に乗ってくれるでしょう。虚勢を張るタイプの場合、上から言われると、意外なほどにシュンとしてしまって、それ以降は少し静かになるということもあります(結局は、上に対して強くものが言えるほどの信念はないのです)。

また、こうした上司をやり込めるための材料を集めておくのです。具体的には、矛盾した指示、パワハラなどの問題発言などです。威張り散らすということは、その内容が妥当でないものがあるはずです。このため、そうした材料を集めておき、「前回と今回でおっしゃっていることが違いますが」、「今、『こんなこともわからないのか』って、仰いました?」、「それはどういう意味ですか?」などのキラーフレーズも併せて用意しておき、上司を黙らせるのです。ただし、これを繰り出すためには、十分な準備と感情的にならない冷静さが必要です。

対応策の2点目は、1点目とは反対に、その上司に気に入られるようにすることです。先の心理状態の分析ではないのですが、こうしたタイプは自分に自信がないことも多いのです。このため、実は自分の味方になってくれる人を探しているとも考えられます。その点を突いて、あえて気に入られるようにするのです。この対応策が上手くいけば、その後の職場生活は、少しは楽になるでしょう。しかし、周囲の職員からは、白い目で見られてしまうかもしれません。

3点目は、接触を極力避けることです。この場合、自分がどのようなポジションにいるかによって、かなり異なります。自分が係長で、「とにかく威張り散らす」のが課長では、なかなかこの方法を実践するのは難しいでしょう。ただ、主任と課長の関係であれば、課長の対応は係長に任せてしまって、自分は極力接触を避けることも可能かもしれません。

場合によっては、これら3点の対応策がどうしても難しいことがあります。この場合、この上司が役職定年になって降任したら、逆襲するという手段も考えられますが、これでは時間がかかり過ぎでしょうか。

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