1 概 要
①行政改革とは、一般に行政の活動を改善するために、構造の改革や活動手法を見直すこと
②行政改革には、定員管理の適正化、組織改革など、様々な手法がある
2 行政改革とは
行政改革とは、一般に行政の活動を改善するために、構造の改革や活動手法を見直すことです。
毎年、総務省では「地方行政サービス改革の取組状況等に関する調査等」を発表しています。この中で、各自治体における取組状況や今後の対応方針等を見える化し、全国平均との比較や日本地図への一覧化等により比較可能な形で取りまとめています。
3 行政改革の具体的内容
行政改革の具体的内容としては、以下のようなものがあります。
(1)定員管理の適正化
定員適正化とは、行政需要・財政状況等に合わせて自治体の職員数を適正に配置することをいいます。人件費は、自治体財政に占める割合は少なく、またいったん職員を採用すれば、すぐに辞めさせるわけにはいきませんので、定員管理・自治体財政の両面からも大きな課題になっています。
なお、職員の定員については「あるべき職員数」が算式で決められるというものではありません。総務省が発表している類似団体別職員数や定員モデルといった計算式などを参考に、各自治体が独自に決定しています。
(2)組織改革
住民にわかりやすいワンストップの窓口を設置する、医療・福祉分野の組織統合を図るなど、組織を簡素で効率的なものにして、組織のスリム化をするなどの組織改革も行政改革の1つです。こうした組織改革によって、定員を削減することもありますが、住民サービスの向上、組織の効率化を図るというねらいもあります。
また、組織の意思決定を早めるため、中間管理職を廃止するなどして組織のフラット化(職層の簡素化)を図ったり、グループ制、スタッフ制といった機動的な組織を構築したりすることもあります。
(3)アウトソーシング
これまで自治体が行ってきた活動を民間企業などに委託することをいいます。委託先は民間企業に限らず、NPOや公益法人など様々なものがあります。
委託業務の代表的なものとしては、本庁舎の清掃・夜間警備、案内・受付、電話交換、公用車運転、学校給食(調理・運搬)、学校用務員、水道メーター検針などがあります。
(4)事務事業の見直し
自治体のすべての事業について、必要性、費用対効果、実施方法などを検証して、改善を行うことをいいます。事業そのものを廃止・統合したり、実施方法の改善を図ったりします。
また、こうした見直しは、予算と連動し、シーリング、スクラップ・アンド・ビルド方式、ゼロ・ベース予算、サンセット方式などの手法をとる場合があります。
(5)使用料等の見直し
市民センター、スポーツ施設、文化施設などにおける会議室の貸出料金や利用料金などについて見直しを行うことをいいます。この場合、その施設の維持管理コストと、収入となる使用料等を比較し、必要に応じて使用料等の引き上げ等を行います。
光熱水費の値上げや消費税の引き上げなどもあることから、数年に一度、見直す自治体が多くなっています。
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