1 概 要
①自治体財政の一年間は、計画、行政評価、議会が相互に関係する
②予算編成等はPDCAサイクルから考えることができる
2 自治体財政の1年
自治体財政の一年間は、計画、行政評価、議会が相互に関係しあっていきます。自治体により、その動きは異なりますが、一例として以下のようになります。
計画 | 行政評価 | 議会 | 財政 | |
5月末 | 前年度実績確定 | 出納閉鎖 | ||
8月末 | 決算確定 | |||
7~9月 | 行政評価実施 | |||
9~10月 | 決算委員会 | 各部予算要求 | ||
10~1月 | 実施計画案検討(査定) | 予算ヒアリング、予算査定 | ||
1月 | 実施計画案作成 | 予算案確定 | ||
2月 | 予算委員会 | |||
3月 | 予算案議決 |
3 PDCAサイクル
自治体の財政を考える際に、計画・行政評価、議会の動きは欠かすことができません。それらがどのように関係しているのかを理解しないと、自治体財政の全体を見渡したことにはなりません。
これをPDCAサイクルの視点から説明することができます。PDCAサイクルとは、plan、do、check、action という一つの流れを指します。一般的には、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つと説明されます。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していくことをいいます。
これを自治体に当てはめれば、Plan(計画)は実施計画であり、予算ともいえます。
Do(実行)は、実施計画の観点から考えれば、実績(事業量、住民満足度など)となり、予算から考えれば決算が確定することによって執行率や不用額が判明します。
Check(評価)は、こうした実績に基づき、行政評価を実施することになります。その方法は、行政自身の内部評価、外部の有識者等を含んだ外部評価の方法があります。いずれにしても、評価を行い、その結果に基づき各部署は来年度の予算要求を行います。
行政評価に基づいた予算要求としては、「○○事業の執行率が悪いので、事業そのもののあり方を見直す」「子育て分野の需要が高いため、来年度はその分野に重点を置く」など、評価を反映した部分がAction(改善)となります。
議会との関係でいえば、9~10月に決算議会が開かれます。そこで、決算の実績なども含め、事業のあり方など幅広い観点から審議が行われます。その後は、予算編成が始まり、予算ヒアリングや予算査定が行われ、実施計画案も検討することとなります。
その後、予算案が確定するとともに、議会で予算案が審議され可決されます。
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