1 概 要
①総合計画は、概ね基本構想、基本計画・実施計画の三層となっている
②総合計画と財政は、密接に関連している
2 総合計画とは
自治体が計画的に行政を進めていくため、総合計画を策定するのが一般的です。その構造として、概ね基本構想、基本計画・実施計画の三層となっています。
基本構想が概ね10年から20年先にわたって実現すべきビジョンや政策大綱で構成され、基本計画は5~10年を実現目標の期間として、基本構想を実現するための基本的な政策となっています。実施計画は3~5年にわたって実施されるべき政策が明示されています。実施計画では、ローリングシステムが採用されることも多く、毎年、実施状況や予算等を勘案し計画内容を変更していきます。
かつて基本構想の策定は義務でしたが、平成23年の地方自治法の改正に伴い撤廃されました。このため、基本構想を策定するか否かの判断は自治体が判断するとともに、基本構想を議会で議決するかどうかも自治体の判断の対象となっています。
しかし、実態として多くの自治体では、この計画体系が残されています。
3 総合計画と財政の関係
上位計画ほど内容は抽象的で、下位計画ほど具体的となります。
例えば、基本構想で「緑豊かなまちをつくります」が大綱の1つとすれば、基本計画では今後10年における公園の整備方針(令和4年度にはA地区で1ヶ所、5年度にはB地区で1ヶ所など)を示したりします。
そして、毎年度作成する実施計画では、基本計画の内容を基本的に踏襲することになりますが、社会状況や財政状況により、その計画を見直すことになります(例えば、4年度の計画を5年度に変更するなど)。
これを財政の観点から考えると、基本計画策定に伴い、長期的な財政の計画をたてることになります。財源の裏づけがなければ、施設整備なども絵に描いた餅になってしまうからです。
また、毎年度の実施計画は予算編成と連動することとなります。実施計画についても、予算と連動していなければ意味がありません。このように、総合計画と財政は密接に関連しています。
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