昇任論文において、合格論文を知ることは重要です。それが、ゴールなのですから。このため、合格論文の収集と分析が極めて重要になります。
<ポイント>
1 合格論文の入手は必須
2 最近の合格者から論文をもらう
3 合格論文の「解決策の内容」と「論理構成」に着目
1 合格論文を書くためにも、合格論文の入手は必須
目標やゴールがわからなければ、いくら勉強しても、そこにたどり着くことはできません。ただ、合格論文にも鮮度がありますので、あまり古い合格論文では意味がありません。
例えば、「2000年に施行された地方分権一括法は~」などの古いトピックが書かれていたり、「職員に一人一台のパソコンを導入し~」などと時代錯誤的な解決策だったりするからです。
2 最近の合格者から論文をもらう
このため、合格論文は、最近の合格者から入手するのが最も「新鮮」ということになります。先輩や同期などのあらゆる人脈を活用し、合格論文を入手するようにしてください。また、どのように勉強したのか、準備論文はどのテーマにしたのか、添削は誰に依頼したのかなども聞いておくと、非常に有効です。
これが難しい場合には、市販の書籍を購入することとなります。ただし、書籍はその自治体特有の内容が含まれていなかったり、職場実態が異なったりすることがあるため、注意が必要です。
ちなみに、受験生同士で勉強会を開催し、互いが書いた論文を批評しあうことがありますが、これはあまり意味がありません。まだ合格していない人達の論文を並べても、論文を書く力は身につきません。合格もしていない、
お互いの論文を批評しあっても、単に傷をなめあっているに過ぎません。時間のムダになってしまいます。
3 合格論文の「解決策の内容」と「論理構成」に着目
合格論文では、まず「解決策の内容」に着目します。テーマに対して、どのような内容を解決策としているかです。
例えば、職場課題であれば「マニュアル作成による業務の見える化の推進」、「係会の実施による職場内の情報共有」、「共有フォルダ活用による業務の進捗管理」など、解決策の内容はほぼ決まっています。
行政課題であっても、「プロジェクトチームによる横の連携」、「A lやRPA導入による事務の効率化」、「住民との協働体制の構築」などがあります(行財政運営全般など)。これを書き出して、テーマと解決策の対比表を作成すれば、どのような解決策が有効かなのかがわかってきます。
次に、「論理構成」です。これは、「はじめは大きく、だんだん小さく」と分析していきます。具体的には、次の通りです。
①各章のつながりはどのようになっているのか
② 各章にある各段落には、何が書かれているのか
③各段落にある各文章には何が書かれているのか
各章、各段落、各文を「結局、何を言っているのか」と箇条書きで整理すると、論文の骨格(論旨)が明確になり、それぞれの関係が論理的になっていることがわかってきます。
以上のように、「解決策の内容」と「論理構成」がわかると、論文を書くイメージができてきます。単に、合格論文を収集しただけでは、論文を書く力は身につきません。
次の書籍には、合格論文は数多く掲載されていて、おススメです!
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