4 昇任論文の評価基準と採点方法

論文対策

誰もが気になる昇任論文の評価基準と、実際の採点方法。ここでは1つの例を解説しています。

<ポイント>
1 昇任論文の評価基準は、問題意識、論理性、表現力の3点
2 昇任論文は、複数の採点官によって採点される
3 採点官は総合点を決めてから、各評価項目に点数を割り振る

1 昇任論文の評価基準
論文の採点には、当然のことながら評価基準があります。これは、自治体によって異なりますが、概ね次のようになります。
①問題意識
②論理性
③表現力

①問題意識は、主任や係長などの役職にふさわしい内容かを判断します。係長論文なのに、書いてある内容が主任レベルではダメなどということです。

②論理性は、論理的飛躍や論理的矛盾がないか、文章が論理的な展開になっているかなどが見られます。エッセイのような、ただ自分の思いを書き連ねる文章では低評価になってしまいます。

③表現力は、誤字脱字がないか、簡潔明瞭な文章か、何度も読まないと理解できない文章(悪文)ではないか、などです。

もちろん、論文の評価基準は公に発表されません。しかし、「主任選考実施要綱」などの文書を見れば、「論文では、問題意識、論理性、表現力を判断します」などと記述されていますので、概ね知ることはできます。

実際には、例えば、問題意識・理解カ・論理性・独創性・表現力の5項目を各20点とし、合計100点満点として点数化されるなどとなります

2 昇任論文の採点方法
試験が終わったら、論文はコピーされ複数の採点官に渡されます。各採点官は、評価基準に従って点数をつけますが、受験生ごとに平均点が算出されて、その得点が受験生の得点となります。最終的な選考合格者は、論文などの筆記試験の得点と人事評価によって、決定されます。

採点官は、これら評価基準ごとの得点を合計して、最終的な総合点を決めるのではありません。論文の採点は、得点順に受験生に順番付けする相対評価も行われます。このため、採点官は論文全体を読んだ上で、だいたいの総合点を決定しておき、それを評価基準ごとに割り振るのが一般的です

例えば、「総合点が75点なので、5つの評価基準はそれぞれ15点にする」などです。評価基準ごとに積み上げ方式で総合点を決めると、相対評価がしにくくなります。また、問題意識0点、論理性20点などの偏った評価が可能となってしまいます。

採点官が論文を評価するにあたり、「これは係長としてふさわしい内容か」などの問題意識、「論理的な文章になっているか」などの論理性は、採点官によって多少の判断のズレは生じる可能性があります。

しかし、誤字脱字、文字数(指定されて最低文字数に届かない、もしくは上限文字数を大幅に超えてしまうなど)、受験番号や氏名の記載漏れ、原稿用紙の使い方の誤りなどは、明らかな減点対象となります。

受験生としては、こうした減点を防ぐために、正しい文字を書く(あやふやな漢字はひらがなにする)、指定された文字数の制限を守る、正しい原稿用紙の使い方を理解する、などの対策をとることが必要となってきます。

昇任論文の評価基準と採点方法については、次の書籍で詳しく解説されています。一読をおススメします!

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