1 概 要
①予算査定が終了すると、財政課は各事業課に予算内示を行う。
②復活要求とは、予算内示の後、予算の復活を求めるもので、一定の条件の後、認められることがある。
③プレス発表は、報道機関に対して、予算案の内容を発表すること。
2 予算内示・復活要求
首長の査定が終了すると、財政課は各事業課に予算を内示します。内示は、予算案の結果を知らせると共に、事業課は検算等を行い、間違いがないかを確認するのです。
この後、報道機関に発表する資料や、議会へ提出する各種資料に間違いがあると、資料の差し替えなど膨大な事務量がでてしまいますので、神経をとがらせることになります。
なお、予算内示の後、事業課が復活要求をする(できる)場合があります。これは、予算の内示があったものの、削減された予算の復活を求めるものです。
この方法も自治体によって異なるのですが、例えば以下のような方法があります。首長が実際に査定するのは、既定経費の大きな変更部分と政策的経費のすべてで、査定は、既定経費を先に行い、その後に政策的経費を行います。
この場合、既定経費の首長査定が終了した段階で、既定経費のすべての内示を行います。そうすると事業課は、既定経費のうち首長が査定しなかった部分について復活要求をしてくることがあります。
首長が査定を行う部分については、一事業ずつ査定を行いますので、それに対し復活要求をするということは、原則ありません。しかし、それ以外については復活要求をするということがあります。
復活要求では、事業課の課長が財政課長に説明し、予算の復活を求めたりします。当然のことながら、復活要求がすべて認められるということはありません。
3 プレス発表
プレス発表は、予算案を報道機関に対し発表することです。その方法は自治体によって異なりますが、当初予算案の場合は、広く報道機関を集め、首長自らが予算案の内容や特徴を説明することがあります。発表の席には、首長を先頭に幹部職員が一堂に揃っている様子などを見た方もいるのではないでしょうか。
プレス発表の具体的な内容としては、①予算編成の基本的な考え方、②予算規模、③特徴的な事業(ハード、ソフト、分野別など)などについて説明を行うのです。自治体にとっては、自治体をアピールする絶好の機会ですので、なるべく報道機関に取り上げてもらえるよう、各自治体もいろいろな工夫を加えるのです。説明の後、報道機関からの質問にも答えたりもします。
翌日の新聞の地域欄には、予算の概要や特徴的な事業について掲載されていることもあります。また、地元のケーブルテレビなども含め、テレビで取り上げられるということもあります。まだ、この段階では予算案なので、正式な予算ではないのですが、早速住民から事業の問い合わせの電話が入ることもあります。
プレス発表後であっても、特徴的な事業の場合には報道機関から取材があったり、問い合わせの電話が入ることも少なくありません。
なお、議会との関係でいうと、正式には議会で予算案を審議することとなります。しかし、プレス発表をしているにも関らず、議員がその予算案の内容を知らないということでは困りますので、幹事長会や全員協議会などの場で説明したり、全議員にプレス発表で配付した資料等を配布したりします。
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