4 文書・資料の役割と機能

文書・資料作成術

業務上、公務員は様々な文書・資料を活用しますが、そもそも文書・資料には、どのような役割や機能があるのでしようか。

まず、文書・資料の役割は、「できるだけ早く、読み手に文書・資料の内容を理解してもらうこと」です。せっかく文書・資料を作成しても、読まれずに放置されていたのでは、何の役にも立ちません。書き手は自己満足を得られるかもしれませんが、組織運営には、何の意味を持ちません。他人に読まれて、理解されることに意味があるわけです。

このため、読み手がすぐに理解できない文書・資料では困るわけです。例えば、ややこしい表現、構成がめちゃくちゃ、専門用語ばかりで意味不明などです。もし、書き手が、自分の知っていることをすべて伝えようとして、あらゆるものを資料に書き込んだとします。書き手は満足かもしれませんが、読み手にとって良い文書・資料とは言えません。

次に、文書・資料の機能は、「口頭での説明が不要になること」です。一般的に、人に説明したり、理解してもらったりする場合には、口頭で伝えなければなりません。しかし、的確にまとめられた文書・資料であれば、口頭説明は不要になります。それを見ただけで、読み手は書き手の主張や言いたいことをすぐに理解でき、すぐに行動に移すことが可能となります。

反対に言えば、「口頭の説明を聞かないと、理解できない文書・資料」では、十分ではないということです。例えば、係長が作成した資料を課長に説明したとします。この時に、係長の説明を聞かないと、課長がすべてを理解できないのであれば、資料は中途半端なものということになります。仮に、課長がその資料をそのまま部長に渡しても、部長は真意を理解できません。場合によっては、部長は誤解や勘違いをしてしまう可能性もあり、かえって業務に支障が出てしまいます。

以上が、文書・資料の役割と機能ですが、結局は「読み手ファースト」の文書・資料であることが重要ということになります。書き手は、自分が言いたいことを闇雲に書くのではなく、読み手に伝えなければならないことを厳選しなければなりません。

自分が持っている知識であっても、読み手に必要ないと判断したら、大胆に削除することも必要です。また、その読み手の立場や既有知識などを考慮して、「どのようにすれば、上手く伝えられるか」も考えておかなければなりません。同じ内容であっても、読み手が住民なのか、職員なのかで書き方や表現は変わってきます。いずれにしても、「読んだ人が、すぐに理解できるか」を常に注意しておく必要があります。

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