30 休 暇

地方公務員法

1 概 要
休暇には、年次有給休暇、病気休暇、特別休暇、介護休暇の4種類がある。

2 年次有給休暇とは
年次有給休暇とは、職員の心身の疲労の回復等の目的ために与えられるもので、原則として職員の請求する時季に与えられる年間一定日数の休暇です。

6か月以上継続して勤務し、全勤務日の8割以上出勤した職員に対しては、10日の有給休暇を与えなければなりません(労基法39条1項)。その後、継続勤務年数に応じて有給休暇が20日に達するまで加算されていくこととなります。

また、年次有給休暇は翌年に限り繰り越すことができ、また時間単位での取得も可能です。

年次有給休暇は職員の権利ですので、職員から請求のあったときは与えなければいけません。しかし、請求された時季に与えることが正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができます。こうした使用者が他の時季に変更して与える権限を「時季変更権」といいます。

時季変更権は、業務の運営を阻害するか否かによって判断すべきもので、休暇の目的による変更権の行使は無効とされています。一方で、正当に行使された変更権に従わないときは、懲戒処分の対象となります。

3 病気休暇とは
病気休暇は、職員が負傷または病気を療養するために必要とされる最小限度の期間について認められる休暇です。対象となる病気には、予防接種などによる発熱、女性職員の生理による就業困難、リハビリテーションなどが含まれます。

病気休暇を取得する際には、原則として事前に任命権者に請求してその承認を受けることが必要です。また、病気休暇は給与条例により有給とされています。ただし、職員が病気になった場合、数日程度の期間であれば、一般的には年次有給休暇を使用することが多いのが実態です。

病気休暇の期間は限定されていませんが、私傷病の場合の病気休暇が90日を超えるときは給料の半額が減額されるのが通例です。さらに、病気のために長期の療養が必要とされる場合には休職となります。

4 特別休暇とは
特別休暇とは、年次有給休暇、病気休暇、介護休暇以外のすべての休暇の総称で、特別の事由により職員が勤務しないことが相当であると認められる場合に用いられる休暇です。

具体的には、①公民権の行使、②証人などとしての出頭、③骨髄液の提供、④ボランティア休暇、⑤慶弔休暇、⑥産前産後休暇、⑦育児休暇、⑧夏季休暇、⑨出産支援休暇、⑩看護休暇、などがあります。

5 介護休暇とは
介護休暇とは、配偶者または一定の範囲の親族に介護が必要な場合に与えられる休暇です。この休暇は連続する6か月以内の必要と認められる期間について与えられます。

介護休暇は、事前に承認を受けなければなりませんが、必要に応じて1日または1時間を単位として取得することができます。また、介護休暇を得た職員は、その勤務しない時間の給料および地域手当が減額されます。


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