27 昇任論文の悪い例⑦ 論理的な文章になっていない

論文対策

論文は、論理的な文章です。このため、文章のつながりが論理的であることは、必須の条件です。しかしながら、案外に論理的になっていない論文は多いのです。

<ポイント>
1 理由や根拠が書かれていない
2 論理的飛躍がある
3 論文全体で矛盾がある

1 理由や根拠が書かれていない
まず、理由や根拠が書かれていない論文です。論文では、現在の自治体に、テーマに関連した課題があることを示す必要があります。

「効率的な行政運営」であれば、問題点として「本市では、効率的な行政運営が十分に行われているとは言い難い」と述べます。

このため、その理由として「行政サービスに不満を持つ割合が高い」という住民意識調査の結果、「職員が同じ作業をしている」というムダの実例などが必要です。

こうした理由や根拠がないと、「なぜ、それが問題点と言えるのか?」が採点官にはわからないのです。

2 論理的飛躍がある
また、論理的飛躍がある論文も不可です。これは、筆の勢いで、つい論理的でない文章を書いてしまうのです。

例えば、「職員のコスト意識は十分とは言えない。 このため、事業の費用対効果を十分に検証する必要がある」などです。

しかし、職員のコスト意識が不十分だと、なぜ事業の費用対効果の検証が必要なのか、文章がつながりません。

本来であれば、「職員のコスト意識が不十分」→「事業の中には、コストが十分に精査されていないものがある」→「このため、事業の費用対効果を検証する必要がある」という論理展開にならなくてはなりません。この2文目がないため、論理的に飛躍する文章になっているのです。

3 論文全体で矛盾がある
論文全体で矛盾があるケースもあります。

「効率的な行政運営」の解決策として、「事業の費用対効果の検証」を挙げたとします。それぞれの事業について、投じた予算に対して、適切に効果が上がっているのかを検証するという内容です。

これに対して、別な解決策で「積極的な住民ニーズの反映」として、住民ニーズを積極的に事業化するという内容を書いたとします。

こうした場合、「結局、予算をどう使おうとしているのか」がよくわかりません。一方では、「厳しくコストを見直す」としているにも関わらず、他方では、「住民から要望のあったものは、積極的に予算化する」となっています。

これでは、採点官は迷ってしまいます。例えば、「選択と集中」を徹底させて、厳しくコスト意識を検証する一方で、住民ニーズにも積極的に対応していく、などの説明がないと矛盾してしまいます。

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