27 異動に過度な期待をしていないか

残業ゼロの仕事術

公務員にとって、人事異動は避けられません。自分自身の経験からいうと、入庁後、初めての人事異動の時は、とても期待していたことを覚えています。しかし、そうした期待は、人事異動の度に減っていきました。これは、やる気がなくなっていったということではありません。

公務員としての経験が増えていけば、それぞれの部署がどのようなことを行っているのかは、だいたいわかってくるので、想像できるのです。このため、だんだんと新鮮味を感じられなくなってくるのです。

人事異動経験の少ない職員が、異動に期待する気持ちもよくわかります。しかし、あまり過度な期待を持たない方が良いと思います。それは、あまり期待値が高いと、その期待が叶わなかった場合のショックが大きくなってしまいます。そのことで、大幅にモチベーションを低下させてしまうのです。

例えば、マスコミ対応もあり、華やかに見える広報課を希望・異動したとしても、実際の配属先が広聴部門で、日々、住民からのクレームを受けることになったということもあります。また、希望していた業務の担当になったとしても、直属の上司のパワハラがひどく、とても仕事どころではないということもあります。

ちなみに、職員の中には「課長(もしくは人事課)は、どのような考えで私を〇〇課に異動させたのだろうか」と考える人がいます。しかし、「この職員の異動先はどうしようか?」と人事課が頭を悩ませるのは、①引く手あまたの優秀職員、②引き取り手のない問題職員、③男女関係を考慮しなければならない職員(過去の恋愛関係、離婚などの影響による)、ぐらいです。

あとは、ジグソーパズルのピースを当てはめるようなものです。職員一人ひとりの人生まで考えていたら、とても異動作業などはやっていられません。以上のことを踏まえ、皆さんにお伝えしたいのは、人事異動には過度な期待をしないということです。その上で、戦略的に人事異動を考えた方が良いと思うのです。戦略的とは、例えば、次のようなことを考慮することです。

第一に、自分のキャリアプランを踏まえて、異動先を考えることです。もし、福祉分野のエキスパートになりたいのならば、高齢、障害など福祉の各分野を経験する。庶務担当として経験を重ねたいのなら、庶務担当者が異動しそうな部署をリサーチする。ゼネラリストを目指すならば、これまで経験していない職場を希望する、などです。

第二に、自分の中の優先事項を踏まえることです。例えば、子供が小さいため保育園の送迎を行う必要があるならば、それを無理なく実施できる部署を希望する。趣味や資格試験などを優先するなら、残業の少ない職場を探すなどです。また、昇任試験の合格が最優先ならば、官房系などの上司に目立ちやすいポストを選ぶなども考えられます。

第三に、上司との円滑なコミュニケーションの構築です。一般に、そもそも職員を異動させるかは、直属の課長が決定します。このため、異動したいと思っていても、その旨をきちんと伝えておかないと、課長が「残留で良いか」と安易に考えてしまうかもしれません。また、異動先についても、具体的な部署名だけでなく、なぜそのような部署を希望するのかを明確に伝えておいた方が無難です。課長は、こうした職員の希望を人事課に伝えますので、とても重要なのです。

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