26 腰を据えてクレームに対応しているか

残業ゼロの仕事術

公務員にとって、クレーム対応は避けることのできない重要な業務の1つです。民間企業の場合、お客様センターのような部署があり、そこで一括してクレーム対応することが多いかもと思います。しかし、自治体の場合は、基本的に多くの部署で住民を対象にした業務を行っていますので、どこの部署でもクレームを受ける可能性があります。

また、財政課や人事課のような職員対象であっても、職員からクレームが来ることがあります。このため、結局はすべての部署でクレーム対応があると考えて良いかもしれません。

現在、公務員にとってクレーム対応力は必須です。この技術や能力がないと、窓口業務などが行えなくなってしまうからです。住民対応ができないことは、住民にとって最も身近な行政である基礎自治体の職員にとっては致命的になってしまいます。

しかし、残念ながら、実際にはそうした職員も少なくありません。また、ひどい場合には、モンスタークレーマーのため、職員がメンタルで問題を抱えてしまい、休職などに追い込まれることもあります。

確かに、クレーム対応は嫌なものです。しかし、クレームから逃げ回ってばかりいると、いつまで経っても対応力が身につかず、職員としての経験値が増えていきません。これでは、周囲の職員からも疑問をもたれてしまい、職場でも浮いた存在になってしまう可能性があります。

そして、クレーマーから逃げても、クレーマーは納得しませんので、余計に時間をかけることになってしまい、結果的に時間もロスします。こうしたことから、クレームに遭遇したら、腰を据えて対応するしかないのです。

クレームを受けたら、まずは相手の主張にじっくり耳を傾けます。途中で話を遮ってしまうと、火に油を注ぐことになり、逆効果になってしまう可能性が大きくなります。まずは、相手の感情に寄り添って、話を聞きます。十分に話を聞くだけでも、クレームが収まることもあります(ガス抜きは大事です)。

それでも収まらない場合は、事実を見極めた上で、どのように対応していくかを考える必要があります。行政側のミスなのか、住民の認識の誤りなのか、両者の勘違いなのかなど、いろいろな原因が考えられます。

その上で、ただひたすらに謝る、相手が納得できるように説明するなどの対応が必要になってきます。話をする時には、上から目線にならないように注意した上で、丁寧にかつ論理的に説明するしかありません。

それでも相手が納得しない場合は、同僚や上司などの手を借り、組織的に対応することが求められます。対応する職員が変われば、場の空気も変わるかもしれません。また、時間をかけて対応することで、相手の気力を削ぐという効果もあります。

言い方は悪いかもしれませんが、手を変え品を変えて対応することで、じっくり雪解けを待つしかないのです。こうした経験を重ねることで、クレーム対応力は確実に身につきます。 ただし、窓口の物を壊した、終業時刻になっても居座るなどとなれば、話しは別です。庁舎管理担当や警察とも連携して、対応することが必要となってきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました