22 昇任面接の悪い例② 理想ばかり話す

面接対策

昇任試験は、昇任したポストにふさわしい職員であるかを検証するものです。係長面接であれば、この受験生が係長としてきちんとやっていけるのかどうかを、面接官は見ているわけです。この時、あるべき姿である理想論ばかり語る受験生がいるのですが、これもNGです。

<ポイント>
1 できないことを言われても困る
2 理想と現実のバランス感覚が問われる

1 できないことを言われても困る
例えば、面接官から「係長として、どのようにして係員の危機管理意識を高めますか」との事例問題がありました。

これに対して、受験生は「まず、毎日の朝会では、危機管理意識を高めるように話しをします。また、期首・期末の自己申告面接では、各係員がどのような意識を持っているかを確認します。意識が十分でない職員に対しては、その必要性を伝えます。さらに、積極的に係員を危機管理研修に参加させ、研修後には係内で報告してもらい、係全体で話し合いを行います」と答えました。

一見すると、完璧な答えのように思えるかもしれません。確かに、職員の危機管理意識の向上のためには、これだけの内容を実施すれば十分です。

しかし、日頃の職場の実態を踏まえて、本当にこのようなことが可能でしようか。毎日の朝会で、係長が危機管理の話をする職場が果たしてあるでしょうか。また、自己申告面接の度に、危機管理について話し合うことがあるでしょうか。どちらも、大きな疑問が残ります。

このように、理想論ばかり話すのは、やはり面接官からすれば違和感があります。実際にできないことを言われても困るのです。

2 理想と現実のバランス感覚が問われる
仮に、面接官が「あなたは係長として、本当にそれができますか」と再質問して、受験生が「やります」と答えたら、面接官はおそらくその場で不合格とするでしょう。理想と現実のバランス感覚が取れない係長を生んでしまうからです。

先の事例であれば、次のような回答が妥当と思われます。

「まず、4月の異動直後には、係員の緊急連絡先の確認と、緊急事態発生時の対応について、係全体で行います。その後、係会で係のBCPの検証や見直しを行い、課長にも報告します。さらに、係員に危機管理研修を受講してもらい、係内で話し合う時間を持ちたいと思います」

理想と現実のバランスが取れているのかは、事例ごとに考える必要がありますので、一概に言うことはできません。面接官に「本当に、そんなことできるの?」とか「たったそれだけしかやらないの」と思わせる内容では困ります。

昇任面接対策本などを参考にして、事例ごとに想定問答集を作成していくと、理想と現実のバランスがつかめてくると思います。

昇任面接には、次の書籍がおススメです!

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